6)学年別、学期別、効率的な英語指導法
      
(2017年9月改訂)
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  中1…1学期  2学期  3学期
  中2…1学期  2学期  3学期
  中3…1学期  2学期

 学力別クラスについて

 
10分間で生徒の英語力を見極める方法

 
英作文(英語を書く)能力を問う試験問題について

 
中学校の英語の先生方へ


 私は、11年間、塾で、小学生から大学浪人生まで指導してきました。そして、「なんで、こんなことくらい学校でしっかり指導ができないのか。」と、度々思ってきました。同じ学校の同じ学年でも、指導法が先生によってバラバラで、しっかり指導できているクラスとできていないクラスがあるとわかり、愕然としたこともあります。

 こちらに示す指導法は、私が、塾で指導してきて見聞きした、私立中、公立中、私塾などで、大変有効と感じた指導法も参考にしながらまとめました。かなり基本的なところですが、教える順番と、教えるタイミングさえ間違わなければ、かなり効率的な指導法になると思います。この指導法で、中学2年の初めに英検準2級に合格した生徒もいますし、中学3年で、初めて塾に来た時は30点くらいの点数だった生徒が、点数は50点くらいにしかならなかったけれども、「英語がわかるようになった。」と喜んでくれた事例もあります。

 そもそも、私は、「英語ができる人が学力面で優秀だ」という観念を全く持っていません。どんなに、運動神経が悪くても、ある程度テニスを習った事がある人は、1度もテニスをしたことのない運動神経の良い人より、テニスをうまくできるはずです。別に優秀だからではありません。「効率的な指導」を受けたから、うまいのです。ある程度以上のレベルになると、テニスも英語もそれなりの努力と才能は必要でしょう。ただ、中学レベルの英語ならば、誰でも、塾など行かなくても、そこそこの指導法で、そこそこのレベルに行くはずだと思うのです。

 このような考えのもと、学年別、学期別に、英語指導法をまとめてみました。どうか一度、お読みいただき、「効率的な指導法」について、考えていただければと思います。私の考えたものより、良い指導法をご存知の方もおられるでしょう。その場合は、どうか、掲示板やメールでお知らせください。このページに掲載し、広く一般に公開できればと思うのです。
 中学生に教えるべき英語は、かなり限られているはずです。ということは、指導法も教材も、日本全国統一、誰が教えても、最低限のレベル(どんな生徒でも、簡単な英会話ができるレベル)が保てるような、効率的な物が作れないものかと、ずっと考え続けています。

 なお、文科省から「英語の授業は英語で!」という指導があるようですが、いきなり教室で先生が、英語をペラペラ話されて、生徒が全くついていけず、却って英語嫌いな生徒を増やしてしまったという話も聞きます。中学レベルでは、ある程度使う単語も限られるので、英語が苦手な生徒が戸惑わないよう、あらかじめ使用する指示文などの意味を教えてから、授業を進めた方が良いと感じます。以下、少しだけまとめているので、参考にして頂ければ幸いです。


 参考:中学・高校の授業で使われる、英語での指示文

  1. 中1、1学期
     
    • 人称代名詞一覧表を暗記させる(まず最初に)
       塾に通ってくる生徒で、これがわかっていると、とても教えやすい。しかし、中3になっても、よくわかっていない生徒も結構いるのです。学校で繰り返し教えないことが、原因ではないでしょうか。「your」と「you're」、「its」と「it's]が区別できない。「my father」の人称代名詞を、「I」としてしまいます。こんな間違えは、珍しいことではありません。因みに、しっかり覚えさせている学校もあり、その場合、生徒の指導はかなり楽なのです。


       主語の認識が苦手な生徒への対策

    • be動詞の意味をしっかり教える
       be動詞の意味を、「です、ある、いる、なる」と、教えてください。「I am tall.」を「私は背が高い。」にしないでください。「私は背が高いです。」という癖をつけさせてください。この動詞「です」が、英語には必ず必要なこと、日本語の文法とは違うことを、早いうちに、生徒に熟知させてください。この細かいところ(特に「is」)の理解が、長文読解などでも、とても重要になってくるのは、先生方ならおわかりと思います。塾に来て、「be動詞の意味は?」と聞いて、答えられない中学生はかなり多いです。

    • 直訳の指導をしっかりする
       「from」は、比較的早く出てくる前置詞です。ほぼ、「から」という訳で、いろいろな場面に応用できるのに、「I am from Japan.」を、「私は日本の出身です。」と、ほとんどのテキストなどで意訳させています。残念です。「私は日本からです。」と、
      直訳をまず教えれば、小さい英単語1つ1つを、日本語にきれいに結びつける事ができ、いろいろな場面で応用できます。「I come from Japan.」と混同する恐れもありません。
        また、「I play the piano well.」を、「私はピアノを弾くのが上手です。」と訳してはいけないと教えてください。
      国語ができる生徒ほど、このように意訳するのですが、関係代名詞など、複雑な文法を学習するあたりから、伸び悩むことが結構あります。「私は上手にピアノを弾きます。」と直訳するように、教えてください。
        さらに、これは中2の範囲かもしれませんが、「May I help you?」を、未だに「いらっしゃいませ」としている教科書がある。これでは、応用できません。せめて「私はあなたをお手伝いしても良いですか。」と、直訳も教えてください。こうすれば、応用もできますし、丁寧な言葉だと、生徒も気づくはずです。

       スラッシュリーディング/直訳と音読が大切!

    • 繰り返し学習ができるようにするためのアイディア
       「日常生活で英語を使わない日本で、英語を頭で覚えてもすぐ忘れてしまうのは当たり前」と言うことを、もっと生徒に伝えていただきたいです。そして、英語の知識を定着させ、英語をスラスラ話せるようになるには、繰り返し学習できるように工夫することが、とても重要で、効果的な学習方法だとわかりました。以下のページを是非参考にしてください。

       
      マイノートを作ろう!

       小学生にもわかる英文法


  2. 中1、2学期

    • 一般動詞の活用を暗記させる(3単現学習前)
       英語が苦手で、中3で塾に通ってくる生徒の多くは、よく使う一般動詞の意味さえ覚えきれていず、そもそも動詞が何なのかもわかっていない生徒さえいます。早い時期に一般動詞の一覧表を配布し、何度も繰り返し覚えるよう、単語テスト(特に動詞の意味を問うもの)なども行って欲しいものです。
        以下の一覧表は、一般動詞の原形、3単現形、現在分詞形をまとめたものです。
      発音の仕組み、綴りの仕組みも考慮して作成しているので、生徒も効率的に覚えられると思います。このような覚えるべき単語の一覧表を、生徒に渡しただけで、「覚えておいて」という先生もいらっしゃいますが、発音の苦手な生徒は大変です。英会話力をつけるには、綴りが書けることより、単語の意味と発音が分かることが大切なのですから…。発音練習を一緒に行うか、せめて発音をカタカナで書いたものを生徒に配布してください。英語が苦手な生徒でも、発音が分かるようにすることが肝心です。 「詳しいことは後で説明するから、とにかく、この一覧表を覚えましょう。」としておくと、「3単現の指導」および、「進行形の指導」がとても楽になります。

       動詞の原形・3単現形・現在分詞の一覧

    • 「助動詞のあとは、必ず動詞の原形にする」を合言葉にする
       3単現を教える時に、これを、合言葉のように、繰り返し生徒に刷り込んでください。こうすれば、一般動詞の3単現形、過去形の指導時、疑問文と否定文の助動詞の後の動詞を、すぐに原形にもどせます。未来形の「will be」なども、指導しやすくなります。


  3. 中1、3学期

    • 現在進行形の指導で、「be動詞」を強調する
       「
      進行形に使う動詞は、be動詞で、動詞の~ing形は難しく言うと現在分詞になって、意味は残るが、文の構造上の動詞の役目はなくなる。」とはっきり教えてください。肯定文を教えた後、「使う動詞はbe動詞」を強調して、生徒に疑問文、答え方、疑問文を自分で作らせてみたください。be動詞と一般動詞の違いをしっかり理解できていれば、勉強の苦手な生徒でも、自分で文が作れ、自信を深めることができます。

    • 不規則動詞の活用を暗記させる
       暗記が得意な生徒ほど、すぐ忘れる。しかし、掛け算の九九のように、繰り返し時間を掛けて覚えたことは忘れにくい。早い時点から、過去分詞を含む活用を覚えさせるのは、いろいろな意味で、とても効率的であると思います。
       また、よく、ABC順に書かれた活用表を覚えさせる学校がありますが、これも本当に非効率です。例えば、「buy, bring, think, catch, teach」など、ひとまとめで覚えれば、難しい綴りも割と簡単に覚えられます。以下、活用の仕組み、綴りの仕組みを考慮し、生徒が覚えやすいように作成した、活用表です。この覚え方で、成績を上げた生徒もたくさんいました。先生方にとっても、結局後々、指導が楽になるはずです。
       なお、綴りを書く練習より、すらすら言えること。さらに、読みと意味が分かることが、英会話の向上には大事だということを踏まえ、ご指導いただきたいです。生徒に、活用を何度も書かせる宿題を出す先生方もいますが、「書けば覚えられる」生徒と、「何回書いても覚えられない」生徒がいます。どうすれば、単語を覚えられない生徒が単語を覚えられるようになるのか、それを教えてあげてください。

       不規則動詞の活用一覧1 (基礎編1・過去分詞も含む) 

       レベル別・英単語・英熟語の覚え方、辞書の引き方



  4. 中2、1学期

    • 辞書を引いて単語の意味調べをさせるのは、時間の無駄
        英語の文法がよくわかっていないうちに、辞書を引いて意味調べの宿題を出す先生がいますが、それで生徒の英語力は上がりますか?。文型上明らかに動詞の「work」を、辞書の一番上を見て、名詞の「仕事」と引いて意味調べを完了する生徒がいます。先生が、しっかり辞書の引き方のご指導をされている場合は良いのですが、そうでなければ、本当に時間の無駄と思います。基本5文型を教えた後、「go」には「to」を付けるのに、なぜ「visit」にはつけないのかなど、文型が分かると、生徒は辞書を引いて、大いに納得してくれます。
       
      基本5文型の指導が終わるまでは、生徒に辞書を引かせるより、できるだけ多くの単語の発音の仕方と意味を覚えさせる努力を、先生方にしていただきたいのです。それが結局、英語力向上につながり、後々の生徒指導が楽になるはずです。

    • 不規則動詞の活用を再度暗記させる (夏休み前)
        語彙力を付けるためには、やはり繰り返しが大切。しかも、よく使う動詞ほど不規則活用になるわけですから、夏休み前に以下のような「一覧 2」も配布し、夏休み後に「一覧 1と2」を合わせて
      単語テストをするなどしていただきたいです。この時期のテストは、生徒が単語を覚える大きな動機づけになるので、是非やっていただきたいのです。

       不規則動詞の活用一覧 2 (基礎編2・過去分詞も含む)


  5. 中2、2学期

    • 動名詞 不定詞を、定期テストで切り離さず、しっかり指導する
        動名詞の前に不定詞を学習させる学校で、中間テストに不定詞だけ、期末テストに動名詞だけなど、切り離してテストを行う学校があります。時間の都合上仕方がない雰囲気になっていますが、これが後に大変な災いになります。動名詞と不定詞の名詞的用法は、同時に示すことで使用法の共通点と違いを認識しやすい。切り離し指導は、とても非効率と思います。さらに、文法として、「動名詞」「不定詞」はとても重要であるのに、学校行事などとの兼ね合いで、足早に指導し、生徒の混乱を招いている学校にあります。学校行事などはあらかじめ決まっているのですから、あらかじめ調整し、「動名詞」と「不定詞」の指導をしっかりしていただきたいと思います。

    • 前置詞をまとめて指導する
        前置詞は、日本人には大変わかりにくい品詞と思います。動名詞のところで、多く前置詞が出てくると思いますので、このあたりで、前置詞をまとめて教えておくと、後々効率的な指導ができると思います。さらに、前置詞のあとは、必ず名詞か動名詞という合言葉も、教えておくと便利です。 

    • 速読につながる、スラッシュリーディング(前から区切って行う、英文直訳)を教える
        これは、塾で教えていて分かったことなのですが、
      中学生で、長文読解(英文和訳)の苦手な生徒が非常に多いです。(高校生も同様ですが…)長文読解問題をある程度解けていても、各文の意味を、しっかり理解出来ていないこともあります。
       先生方の中には、英会話重視で、和訳を全く教えなかったり、意訳をした日本語訳のプリントだけを渡して、「読んでおいて!」と言うだけの方もいらっしゃるようです。英文が全く読み込めていないのに、意訳だけ見て、内容が把握できたと、わかった気になっている生徒もいます。これでは、本当の意味での英語力向上は望めません。
       不定詞や前置詞を学習した後のこの時期、
      スラッシュリーディングのやり方を、是非教えてください。生徒の英語力の高低にかかわらず、スラッシュリーディングのやり方がわかると、英文速読、英作文、会話力の向上にもつながります。私自身も、2017年の通訳案内士試験に合格した際、スラッシュリーディングの技能が役立ちました。和訳(直訳)をしっかりすることは、実は英会話力向上に繋がっていくのです。

       参考:
      英文和訳と英作文の指導について

    • 形容詞の活用を暗記させる(冬休み前・比較を学習する前)
        比較を学習する前に、以下の「形容詞の活用の一覧」を生徒に渡し、覚えてくることを宿題にすると、3学期の比較の授業をとても効率的に行えます。これは、一部の私立校でも行っていることです。まとめて多くの形容詞を覚えるように生徒に促すことは、語彙力アップの点でも、大変有効です。何度も書きますが、英語など、繰り返しやらなければ忘れてしまうものですが、生徒に言っているだけでは、なかなか理解されません。活用の小テストをするなど、予め覚えさせておけば、結局、生徒にとっても先生にとっても、効率的な英語学習につながります。


       形容詞・副詞の活用の一覧(意味もしっかり覚えましょう)


  6. 中2、3学期

    • 不規則動詞の活用を再度暗記させる (春休み前)
        ゆとり教育時には中3の学習内容であった受動態を、中学2年の3学期に学習するようになっているところも多いようです。ただ、比較の学習などで、授業が押してしまい、「受動態」の指導に十分な時間を割けない学校もあるようです。
        このような事態にならないためにも、前もって、「過去分詞を含めた不規則動詞の活用一覧」を生徒に覚えさせておくことが、結局、効率的な指導になると思います。また、長期間にわたって、覚える機会を提供することで、知識の定着にも寄与するはずです。


  7. 中3、1学期

    • 基本5文型と辞書の引き方を教える
        不規則動詞の活用を中1の3学期から繰り返し練習していると、現在完了などの学習がスムーズになると思います。そこで生まれる時間で、SVOC文型の学習時に、5文型をしっかり教えて頂きたいのです。これは、中学でも高校でも、やっている学校とやっていない学校があるようで、非常に問題を感じます。
       
      基本5文型は、中学生が理解するのは難しいと感じる先生もいると思いますが、スラッシュリーディングをしっかり指導できていれば、意外なほど生徒は簡単に理解してくれます。基本5文型を指導して初めて、辞書の正しい引き方を教えられます。辞書を正しく引けるようになって初めて、初見の文章を正しく読みこなす力がついてくるのです。「辞書の引き方の指導」をされたこと、またはご自身が受けたことはありますか?英語学習で、非常に重要なことであると思いますが、どうでしょう。

    • 中学1年から中学3年の1学期までの文法の総復習をする
       私は、分詞や関係代名詞を履修する前の現在完了や不定詞の応用までが、中学英語の基本文法と思っています。しかし、ここまでの文法知識を中学生に定着させることは、本当に大変です。なぜなら、普段英語を使わない日本では、繰り返し繰り返し思い出す努力をしなければ、忘れるのは当然の事だからです。そこで、何らかの形で、この時期、中学1年からの文法の総復習をしていただきたいのです。「be+動詞のing形は、なんていう文法?1つ例文作ってみて!」こんな感じでどうでしょう。ドリルなどをただやらせるだけではなく、先生自身が1日1センテンスのような形で、生徒に復習を促した方が、効果的なのではないでしょうか。
       中3の2学期以降の範囲の分詞や関係代名詞は、ここまでをしっかり学習できていないと、生徒に大混乱を招いてしまいます。逆に、ここまでをしっかり学習出来ていれば、分詞や関係代名詞など、どちらかというと簡単かと思います。

       高校受験勉強の進め方


  8. 中3の2学期から

    • 学力別にクラス分けをする
      (学期途中が無理ならば、中3の1学期から)
        部活動なども終わり、高校受験に向けてしっかり勉強ができるこの時期に、適切な指導を受けられることは、生徒達にとって、とても大切な事と思います。ところが、この時期、生徒の英語力の格差は、相当開いているのではないでしょうか。 さらに、この時期は、分詞と関係代名詞を学習するところが多いようですが、英語の苦手な生徒は、中3の1学期までの文法が、よくわかっていません。そこに、難しい分詞や関係代名詞を学習することで、せっかく頑張ろうと思っていたのに、却って、いろいろなことが分からなくなる生徒が多く見受けられます。 

        分詞や関係代名詞は、一部の偏差値上位校を除き、高校でも中学レベルの物から教えています。理想論かもしれませんが、英語の苦手な生徒には、この時期、中学1、2年の復習ができるようにしていただけると、現状よりずっと充実した中3の2学期になるかと思います。

       東京都内の一部の公立中学校では、中学3年の1学期には、中3で履修すべき、すべての文法指導を終え、2学期は総復習に当てているということです。繰り返し学習が何より大切な英語では、実はそれが、効率的な指導法かもしれません。
      とにかく、どうか、ご一考ください。


 以上、中学校における、生徒側、指導者側、双方にとって効率的と思われる、しかし、これを外すととても非効率的になると思われる指導のポイントを、学年別、学期別に書いてみました。3年生の部分に関しては、それぞれの地域の状況によっても、賛否両論出てくると思いますが、1~2年生の部分に関しては、行わなかった場合に比べ、相当成果が期待できると思います。言い換えれば、1~2年生で、どのくらい効率的に指導できるかで、生徒の英語力が決まってくるのは間違えありません。




その他

学力別クラスについて


 私は、英語は学力別にクラス分けすることが、どう考えても、最も効率的で、英語の得意な生徒・苦手な生徒、双方のためにも、良いことであると考えています。ほとんどの日本人が英語を話せない現状を考えれば、この時期の「できるクラス」「できないクラス」など、大したランク付けにもなりません。それより、英語力が大きく違う生徒達に、同様の指導をする方が、どう考えても不適切と思えます。先生方も大変でしょう。

 特に、中2に上がるタイミングが問題と思います。中学1年生で習う文法は、実は、とても大事であるのに、つまづく生徒が多いと感じます。「主語、be動詞と一般動詞の違い、現在・過去・進行形の違い」についての理解度が60%では、中2の範囲に入って行くのは大変です。あやふやではダメなのです。それなのに、理解していない生徒の補習をしている公立学校を、私の周りではあまり見かけません。そんな生徒は、中2に上がり、どんどん英語がわからなくなり、どんどん英語を嫌いになっています。

 また、発音が苦手な生徒、英語の綴りを書くのが苦手な生徒など、特徴が出てくると思います。綴りを書くのが苦手な生徒に、「何度も書いて覚えなさい」というような指導をし、何度も書かせる宿題を出す先生がいらっしゃいますが、綴りを書くのが苦手な生徒は、ただ、書くという作業だけに集中し、全く覚えていないということが、とても多いと感じます。「mother」を100回書いても覚えられなかったのに、ちょっとしたアドバイスでできるようになった生徒の話なども、載せているので、以下のページも見ていただけると幸いです。
 英単語の発音と覚え方の指導について

 私立校では、英語に関しては、学力別クラス分けは当たり前のところが多いようです。学期ごとにクラス変えをして、生徒のやる気を出させているところもあるようです。保護者の反対などもあるかもしれませんが、一般社会に出て英会話を習う場合でも、能力別のクラスは当たり前という現状を説明すれば、ご理解いただけるのではないでしょうか。 生徒間に困惑があれば、「クラス分けなど大した問題ではないので、自分の所属くするクラスで努力し、上を目指そう。」というように、偏見などが起きないような配慮をし、クラス運営をしていただきたいものです。 まず、生徒が英語を理解し、満足が行くようにすることを、最優先に考えていただきたいです。
 
私も学生時代には、英語がかなり苦手でしたが、今では日常英会話に困ることはありません。留学経験も海外滞在経験もありませんが、継続的には勉強してきました。英語力はいつでも取リ返せると、生徒に教えてあげて欲しいものです。




10分間で生徒の英語力を見極める方法

 塾講師として、初対面の中学生や高校生を教えるにあたり、その生徒の英語力がどの程度か、まず見極めることは、その後の授業計画を立てるにあたり、とても重要でした。しかし、学校の評定、英検の合否、テストの成績などでは、全く生徒の英語力の、判断に役立たないことも度々ありました。結局、独自に判断する必要に迫られ、短時間で、生徒のおおよその実力を見極められる方法を見つけました。目新しいものではないのですが、個々の生徒の実力の現状を正しく見極めるということは、いろいろな場面で役に立つと思い、ここに紹介いたします。


10分間・講師と生徒の1対1で行う面接

1)会話力と基礎文法知識がどの程度かの見分け方
 (中2の初め~中3)

「Yes, No だけでなく、丁寧に答えてもらう」という条件つきで、以下のような質問をしてみます。

1 Are you tired now?
2 Is your house in this city? 
3 Do you have any brothers or sisters?
4 Does your mother like music?
5 Were you busy yesterday?
6 Did you study English yesterday?
7 If your mother calls you now and asks you, "what are you doing now?", how do you answer?
8 Do you think it will be fine tomorrow?
9 How many times have you ever been to Tokyo Disneyland? (中3)

 この質問の答え方で、講師の英語が理解できているか、be動詞(主語がitで受けられるものを含む)と一般動詞を使い分けできるか、現在形と過去形を区別できるか、進行形・未来形・現在完了形を理解できているか、ほぼわかります。 

 会話慣れしていない生徒や、基礎文法ができていない生徒は、中1で習う1~4番あたりでもつまずきます。中2前半レベルの1~6番まですらすら答えられれば、かなり文法力が高いです。場合によっては、全部否定文で答えてもらうのも、英語力の見極めに役立つと思いいます。なお、7~9番は、1~6まで答えられた生徒にだけにする質問です。

 簡単なようで、意外と答えられない生徒が多いです。なぜそうなってしまうのか。英語は使わなければすぐ忘れてしまいます。繰り返し練習が不足しているのではないかと思います。答えられない生徒をお持ちの学校の先生方には、是非、考えていただきたいです。
 因みに、答え方は、以下の通りです。

1 Yes, I am. /No, I'm not.
2 Yes, it is./No, it isn't.
3 Yes, I do. I have a borther, etc./No, I don't. I'm an only child.
4 Yes, she does./No, she doesn't.
5 Yes, I was./No, I wasn't.
6 Yes, I did./No, I didn't.
7 I'm studying English, etc.
8 Yes, I do. I think it will be fine tomorow./ I don't think it will be fine tomorrow./ I don't know, etc.
9 I've been there many times, etc.



2)語彙力も含め、総合的な英語力の見分け方

英文の音読と、英文の直訳をしてもらいます。

1.生徒の学年や実力に合いそうな、1文が長めで、多少難しい語彙が1、2語入った生徒にとって初見の英文を用意します。

2.生徒に音読してもらいます。まず、適切なところで間を開けながら、相手に通じるように読めているかチェックします。この時、イントネーションはどうか。l, f, v, th, nを発音はできているか。sの発音が、無声音になる場合と濁音にな場合など、英語の発音の基本ルールが理解できているかなど、細かいところも同時に観察できると思います。

3.次に、英文和訳の直訳ができるかチェックします。ここが一番重要です。スラッシュリーディングができる生徒は、スラッシュリーディングのやり方で訳してもらいます。訳を聞いていると、生徒の「語彙力」「英文の構造のとらえ方」など、重要な英語力が見えてきます。


 中学生であろうと大学受験生であろうと、
英文和訳の直訳のできる生徒は、概して英語力が高いです。長文読解問題の点数が高いかどうかは、関係ありません。たまに、英語力がないのに、国語力だけで長文読解問題の点数が高い生徒もいるからです。逆に、読解問題の点数が低くても、英語力はそこそこ高い生徒もいます。全部英文直訳ができるのに、内容を理解できない生徒がいましたが、これは、英語力がないのではなく、国語力がないために起きるとわかりました。ただし、そのような生徒でも、大学の、自分の研究分野に関するむずかしい英語の論文は理解できるようです。国語力だけで英文を理解している生徒には、できないことと思われます。

 「英文和訳の直訳がしっかりできるということは、英文の構造を正しく理解できる。英文の構造がわかれば、英作文も得意になる。英作文ができれば、英語を話す力もついてくる。」というのが、私の基本的な考えです。


英作文(英語を書く)能力を問う試験問題について

 余談ですが、英作文能力(英語を書く能力)を問うのに、英検をはじめ多くの試験で、並び替え問題を取り入れていますが、本当に辞めていただきたいというのが、私の本音です。どう考えても「ただのクイズでしょ!」と言いたくなる問題も多く、これで本当の英作文能力を測れるとは、到底思えません。英語が母国語の外国人が解けないような問題もあります。驚きです。

 英作文を多く出すのは、試験問題としては、採点も面倒で、大変な面もあると思いますが、学校の定期テストなどでは、是非、多く取り入れていただきたいと思います。入試や各種試験でも、変わっていくべきと思います。

 
和文英訳の問題を、生徒が学習できる範囲を指定し、そこから数多く出している学校がありましたが、これは、かなり良い方法と思いました。覚えておいて役に立つ、重要な基本例文を、何度も音読して、生徒がそのまま暗唱できれば、英語を話す時、必ず役に立ちます。「記述式の解答で部分点を与えない」の中でも書きましたが、英作文の問題に、全く手をつけない生徒もいるようです。しかし、範囲が指定されていれば、生徒のやる気も出るはずです。

 生徒達に、本当の英語力をつけさせるには、どうしたら良いか、今一度、考えていただければ思います。

  長文読解…英文和訳から英文速読へ 

  和文英訳…英語を話せるようになるための英作文




*中学校の英語の先生方へ;

 学校の先生方は、多様化する生徒を相手に、大変であることは重々承知しています。一般企業と違い、著しい成果を上げても、昇給はおろか、正当に評価されないことも多々あるという話も耳にします。しかし、子供たちは、学校の先生方から、非常に大きな影響を受けます。一部の生徒としか接しない塾講師などとは違います。日本の将来が、先生方の肩にかかっていると言っても過言ではないと思います。

 英語は他の学問とは違います。指導次第で、勉強が苦手な生徒でも、楽しく学ばせ、簡単な英会話をできるようにさせることは、不可能ではありません。塾講師をしていて実感しました。

  どうぞ、効率的に英語を学べる方法を、生徒に教えてあげてください。より良い教育を生徒に施し、日本の将来を担う生徒を育成してください。


                          以上




                  


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