日本の英語教育の最大の問題点 home戻る星

効率的な英語の指導法はなぜ浸透しないのか?
   …中学校・高校、共通の問題点
     (2015年6月、2017年8月、2022年9月改訂)

☆ページ内リンク☆
1)先生方の指導力の格差は、なぜ埋まらないのか?
 *指導力のある先生の指導法が浸透しない理由
 *私が最悪だと思った出来事(2020/09/04)
 *学校内で協力体制が見えない!

2)先生方は自身の指導力を正しく認識できている?
 *私自身、「指導力がある」と思い上がっていました…
 *先生の指導力を客観的に評価する仕組みがない!


3)先生方の指導力の格差を埋めるための方法?
 *市の教育委員会へ出した私の提言と市の回答
  リンク2013年から〜
  リンク2020年コロナ時期で活用できる動画について


リンク最後に、先生方にお願いしたいこと

リンクメールやteacupの掲示板に投稿された教育関連の投稿と返信

1) 先生方の指導力の格差は、なぜ埋まらないのか?

*指導力のある先生の指導法が、他の先生方に全く浸透していかない。

 学校の先生と言えども人間です。まして、英語は語学です。実生活で、どのくらい英語を使ったことがあるのか、どのような生徒を、どのくらいの期間指導した経験があるかなどで、生徒に対する指導力に差が出るのは当然です。例えば、同じ高校でも、帰国子女が多い学校と、勉強が苦手な生徒が学校では、必要な指導方法は全く違ってくると思います。ただ、
それぞれの生徒にとって、学生時代の学年ごとの一年とは、一生に一度の貴重な時です。「指導力のある先生に当たったらラッキー」「指導力のない先生に当たったらアンラッキー」というのは大問題と思いますが、私の知る限り、頻繁に目にしてきた現状です。

 私立、公立の学校を問わず、小学生から大学受験生まで教える中、一般企業では当たり前であるのに、学校内では全く当たり前でない「あること」に気づきました。それは、
「指導力のある先生の指導法が、他の先生方に全く浸透していかない。」いう事です。同じ市内の学校の同じ学年なのに、先生方の指導法はバラバラです。同じ学校の同じ学年でさえ、先生が違えば、教え方もかなり違うこともあります。使っている教科書が同じなのに、使用する副教材が異なる場合もあります。

 先生方の自主性を尊重する学校という狭い社会で、「これが異常」とは感じられないかもしれませんが、一般企業で、お客様への説明の仕方や内容が、人によって全く異なっていたら、大変なことになってしまいます。社員の個性の違いが多少出ても、基本がブレてはいけないはずです。「新入社員だからだめ」ということは許されないはずで、お客様の不利益にならないように、
先輩社員がフォローするのは当たり前のことです。できなければ、先輩社員も、クビまでいかなくても、ボーナスカットや配置転換など、何らかのペナルティがかけられるはずです。

 それでは、学校の現状はどうでしょう。新米の先生は、十分なサポートを得られていますか?指導する先生に、本当の指導力は備わっていますか?ぎゃくに新米の先生でも、指導力に優れた人もいます。そのような場合、その新米先生の意見は通りますか?生徒の理解が進まない場合、それを正しく判断し、なんらかのペナルティを指導力の不足している先生に与えるような制度はありますか?

 英語というのは語学であり、技術革新の激しいIT企業とは違います。指導すべき本質は、長年、ほとんど変わらないはずです。さらに、
公立中学校では、同じ教科書を4年間も使っているのが現状です。それならば、毎年授業の質が上がっていくのが当然のはずと、一般人は考えますが、実際に塾で生徒を教えていると、「授業の質が上がったな〜」と実感することはほとんどありませんでした。驚くべき現象です。

 素晴らしい英語の授業を提供されている先生はもちろんいらっしゃいます。私は実際の授業は見ていませんが、その先生に習った生徒たちの英語の理解度や、生徒の授業ノートを見せてもらうことで、先生方の指導力の実態はかなりわかります。しかし、そのような
良い先生の指導法は、なぜか他の先生には受け継がれません。これは、生徒達にとっても多きな不利益になることと思います。

 なぜ、このようなことが起きるのでしょう。私の大学の専攻は「産業と技術」で、正式に英語教育課程の勉強をしていません。そこで、学校の英語の先生方の状況を想像しながら考えてみました。他に理由が思い当たる方は、メールなどでお知らせ頂けるとありがたいです。
指導力のある先生の指導法が浸透しない理由は?
注目リンク教員の方々から、こちらのサイトの掲示板やメールにお寄せいただいたご意見はこちら

@教え方の下手な先生が、「自分に指導力がない」ことに気づいていない。 (偉そうに書いている私自身、リンク「指導力がある」と思い上がっていた時期もありました。)

A先生方はプライドが高いから、他人の模倣をすることをためらう。

B他の先生方の教え方を見ることができない。または、教え方の上手な先生が、指導法を隠している。

C指導法について意見交換する機会がない。研修などで、機会はあっても、自由に意見交換をできる雰囲気にない。

D学校行事や部活、その他、生徒指導の諸々のことが忙し過ぎて、専門である英語の授業の準備や指導法の研究時間が十分取れない

 複合的な要因かどうなのか、学校の先生になった経験がない私には全くわかりません。しかし、理由のいくつかに思い当たることがおありの方も、多いのではないでしょうか。改善策はないのでしょうか。

余談ですが〜
最悪だと思った出来事(2020/09/04)

 私は塾で英語を教えていました。先生1人、生徒2人の個別指導で、週1回90分の授業でした。これだけの授業で、生徒の成績を上げるのはむずかしいと思われるのですが、実は、成績を上げるのはかなり簡単でした。私の居た地域の中学校では、英語の授業に問題山積だったので、生徒がどこでわからなくなったかを把握し、そこから順を追って教えていくと、ほぼ間違いなく成績が上がりました。私の仕事にとっては「最高」と言えますが、こんな事態を招く学校教育が「最悪」と思いました。

 また、何年か教えていくと、生徒がつまづきやすい箇所もはっきり見えてきたので、それをこちらのホームぺージの リンク中学1年〜2年の英文法  リンク中学2年〜3年の英文法  リンク
中学3年〜高校の英文法 にまとめ、生徒自ら勉強できるようにしました。やる気のある生徒は「わかりやすかった」と言ってくれましたが、なぜ英語教育が年を追うごとによくならないのか、疑問はどんどん膨らみました。

 一番最悪と思ったことは、
「この辺は、塾で習うから大丈夫だよね。」と、公立の学校にもかかわらず、塾頼りな発言をする先生がいるということです。「じゃあ、塾に行けない人はどうするんだよ!」と、中学生にまで言わせる先生…。このような先生は、一定数いるようで、本当にいい加減にして欲しいと思いました。


*英語の指導法について、学校内で協力体制ができていない。

 千葉県の、ある県立高校3年生の例をあげます。その生徒は高2から、私の塾に通い始めました。最初は全く発音が出来ず驚きました。勉強熱心な生徒なので、「英語担任のA先生に聞かないの?」と聞くと、「A先生が発音を教えてくれず、CDを聞きなさいと言うのだけれど、CDは早すぎて、全く聞き取れない」と言うのです。ただ、そのA先生は、教科書の訳はしっかりやってくれていました。スラッシュリーディングで直訳し、プリントでも、それに沿ったものを渡し、生徒が理解しやすい授業だったようです。塾で発音ができるようになると、生徒の英語力もぐんぐん伸びました。英語の学年順位も、トップ10に入るようになりました。

 その生徒が高3になり、今度は、英語が話せる(と思われる?)B先生が英語担任になりました。生徒の英語力が一段と上がると期待していたにもかかわらず、1ヶ月も経過しないうちに、「学校の授業が全くわからなくなったので、先生助けてください。」と、生徒に言われました。B先生の副教材を見せてもらうと、意訳のプリントが配られ、直訳のプリントは配られていませんでした。授業でも、「直訳」をせず、文の構造の説明も分かりにくく、生徒達は、なぜ意訳のような意味になるのか、全く理解できないということでした。英語が話せるB先生は、英語で質問して、生徒に英語で答えさせようとしていたようですが、簡単な質問の意味さえわからない生徒が多く、解答がプリントで配られても、正解の理由もわからない。試験前は、生徒達は、ただそのプリントの答えを丸暗記して試験に臨むということでした。
「高校英語の授業は英語で行う」という文科省の方針もあるようですが、こんな「生徒に理解されない、生徒置いてきぼりの授業」をしていては、とても意味があるようには思えません。

 私はこの生徒に、「直訳をしてくれていたA先生に事情を話して、改善してもらえるようにお願いしては?」とアドバイスしました。この生徒とクラスメートの何人かでお願いしに行くと、そのA先生は、溜息をついて、「では、私が教えているクラスの授業から少し遅れるくらいのタイミングで、私のプリントをあげるので、それで勉強して。」と言われたそうです。発音が苦手なA先生は、B先生を批判するどころか、意見さえできない様子が伝わりました。生徒が不憫でなりません。

 なぜ、同じ学校内の同じ学年で、こんなことが起きるのでしょう。
先生方が協力し、良い授業になるように、改善策など話し合うことはないのかと、憤りを覚えました。また、「英語が話せる」イコール「英語の指導力がある」と思われている人も多いようですが、このエピソードを聞いて、どのように思われますか? (2015年4月)

 ここでは、実際あった具体例を示しましたが、似たようなことは、中学・高校問わず、色々なところで起こっています。英語の塾の講師になって初めて知った実態です。世間が、このようなことが起きていることを知ったら、どのように思うのでしょう。ここまでひどいことに、気づいていない人が多いと思い、悲しくなります。


スペースこの件に関しては、2015年6月8日付けのメールで、千葉県教育委員会に問題の確認と対処などを依頼しました。2015年6月10日、メールにて回答を頂きましたので、掲載させていただきます。


 「平成25年12月13日に文部科学省から公表された「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」及び「今後の英語教育の改善・充実方策について(報告)」(平成26年9月26日英語教育の在り方に関する有識者会議)により、新たな英語教育の在り方実現のため、小・中・高等学校における指導体制の強化が必須となっています。
 このことを踏まえて、県教育委員会では、5年間にわたり県内公立中学校(千葉市を除く)・公立高等学校及び公立特別支援学校の全英語教員を対象に、「中・高等学校英語科教員指導力向上研修」を実施しております。この研修を通して、千葉県内全域の英語担当教員の英語力及び指導力の向上を図っております。」


チェック千葉県教育委員会の回答を受けて…

 「指導力向上の研修」を実施し、県として最大限努力されているという回答を得てしまい、これ以上、打つ手がないという状況に追い込まれました。生徒には、「塾でしっかり指導してあげるから」ということで、納得してもらいました。私自身は、全く納得がいきませんでしたが、教育改革とは、つくづく、大変なものです。
 「前からの直訳のスラッシュリーディング」を取り入れる先生も増えていますし、学校のレベルに関係なく、この方法は、多くの生徒の英語理解にかなり役立っていることが、塾で教えていてもわかります。学校で教えてもらっていない生徒に、この方法を教えると、英文理解力と読む速度が急速に伸びることを、目の前で見てきました。「研修」があるならば、スラッシュリーディングの指導で成果を上げている先生の、模擬授業などしていただきたいです。効果を実証するのは、意外と簡単であると思います。どうか、検討していただきたいです。




2) 先生方は、自身の指導力を正しく認識できている?

*自分の指導力について、先生方は正しく認識されているのでしょうか。

 「指導力のある先生の指導法が浸透しない」ことについて書いてきましたが、これをお読みの皆さまは、ご自分のことを「指導力がある」と思われますか。それとも、「指導力がない」と思われますか?

 一般企業ではあり得ない、もう一つのことは、
「先生の指導力を正当に判断するシステムがないように見える」という事です。一般企業で、能力のない社員は大変です。しかし、授業がわかりづらいと生徒達にも保護者の間でも評判の先生が、辞めさせられることは、よほどのことがない限りありません。授業も改善されません。それどころか、その先生が英語の主任教師になり、学校全体の英語のレベルが下がっていく様子も見てきました。

 英語はとても専門的な教科と思います。校長先生も、英語以外の教科の先生も、英語が堪能というのは、とても稀なように思えます。そんな中、英語の先生の指導力を判断するのは困難です。可能なのは、今のところ、同教科の先生同士が評価し、批判し合うことくらいでしょう。しかし、リンク「学校内で、先生方の協力体制ができていない」にも書きましたが、先生同士、批判し合うことはタブーのような印象さえあります。どのように思われますか?


花マーク私自身「指導力がある」と思い上がっていたました困り顔

 私は、11年間、塾や家庭教師として、英語を教えてきました。英語の翻訳と通訳の経験もあり、ある程度はできると考えていましたが、割と初期の頃から、予想以上に評判の良い講師になれたと思いました。生徒の成績を上げられたということと、評判が悪いと保護者からクレームが付き、担当生徒の数を減らされますが、生徒数はどんどん増やされたため、判断しました。私が高校生の頃、「英語の出来が悪い生徒」であったため、目の前の「英語の苦手な生徒」の「苦手な理由を理解できた」のも、教える上で役立ったと思いました。

 しかし、公立・私立問わず、小学生〜大学受験生まで、いろいろな学校の生徒を教える過程で、色々なことを学べ、10年前の初期の生徒には謝りたいくらい、当時の自分が未熟だったということに気づきました。

  「いろいろな年齢の、いろいろな学校の生徒達の英語学習の様子を、じっくり観察できる環境」というのは、普通はあり得ない、特別なことであったと思います。難関校と呼ばれる私立中・高生、英語の苦手な公立中学生。私の塾では、それぞれの学校で使っている教材に合わせ、教えなくてはなりません。難関校のむずかしい宿題でも、初見ですぐに説明する必要があり、冷や汗を流しながら授業をしたこともありました。大変でしたが、いろいろな生徒と、いろいろな教材を見ることで、多くの学びがあったのも事実です。(頂ける給料は、まったく労力に見合っていませんでしたが…)

 このような経験を経て、学校の偏差値の高低に関係なく、「素晴らしい教え方」と「ひどい教え方」の様子が、生徒自身や、彼らの持っている学校の教材(生徒のノート、教科書、補助教材、使用している単語集や文法書、先生方の作成するプリントなど)を通して、透けて見えるようになりました。

 そして、気づいたのです。
「自分で効率的と思っていた授業は、実は、それほど効率的ではなかった」ということに…。しかし、10年前も10年後も、上司の私への評価は、「熱心で良い先生」と変わりません。塾でさえ、上司の評価がいい加減であるとわかります。よほどの不手際がない限り、「効率の悪い授業をやっている」という事実は、顕在化しにくいのです。自分の指導力を正しく認識するのは、実はとてもむずかしいことと思います。

 10年間で、英語の指導について多くのことを学びました。こちらのサイトは、色々な先生方から勝手に学んだ事柄、多くの生徒達から聞いた英文法のわかりにくい部分など、効率的な生徒指導に役立つ情報をまとめています。もし、文法などの指導方法で困難なことがあったら、是非、
リンク当サイトの活用法をご覧いただき、必要なページをご活用いただけたらと思います。一般公開することで、多少は社会貢献できるかと考えています。

 さらに、英語教育に役立つサイトや動画など、今はどんどん出てきていて、何を選んでよいか戸惑います。リンク私のサイト内のリンク集では、私の見つけた基本、無料で見られるサイトや動画のリンクを載せています。当サイト内のページには、広告を一切付けていないので、公正な目で、役立つと思われるものを紹介ができていると思います。こちらも、更新し続けたいと思っています。

 これからも、より「効率的」な学習方法を探し、更新を続けていきたいと思っておりますので、お気付きのことなどございましたら、是非ご助言頂ければと思います。


*先生の指導力を、客観的に正しく評価する仕組みがないことが大問題!

指導法の効率の良さの加減を、客観的に評価するシステムがないことに、大きな問題を感じます。

 現在、英語の先生を客観的に評価できるのは、「英検準1級の取得率」だけのような気がします(新聞記事より)。その取得率が低いことが、クローズアップされていますが(もちろんここも問題ですが)、これと「効率的な授業」とは、あまり関係ないと思います。英検取得率で測れるのは、せいぜい、先生の持つ基本的な英語力だけです。英語を話す力や英語を書く力も十分測れているとは言えません。英検準1級を取得していても、「英語が堪能」とまでは、とても言い切れないのが事実です。(以前の私がそうでした。)

 英語でどのような指導法をとっているか、授業の進め方はどうか、生徒に理解されているか、用意する教材とそれを配るタイミングは適切か…効率の良さの加減を、正当に評価できるシステムがないないことに、日本の英語教育の最大の問題点があると思います。


 余談ですが、私はいろいろな生徒を塾で教えなくてはならないため、生徒の本当の英語力を短時間で見抜かなければなりませんでした。使う教材や指導方針を決めるのに、絶対必要だったからです。その時、学校の評定、英検の合否、テストの成績などだけを見ても、生徒の本当の英語力がわからないということに気付きました。
そこで、簡単な英会話などを通し、10分間で、生徒の本当の英語力を判断する方法を考えました。ほぼ、外したことはありません。以下、その方法を書いているので、このことが、何を意味するか、英語教育関係者の方々に考えていただきたいと思います。英語はスポーツや楽器の演奏と同じです。コンスタントに継続し、声に出して練習しなければ、英語を話せるようにはなりません。「昔、英語が得意だったんだよね。」と言って、国際交流イベントで外国人と会話しり、何も発言できなかったら…。そのようなことがないような、英語教育が必要と思っています。

参考:リンク
10分間で生徒の本当の英語力を見極める方法



3) 先生方の指導力の格差を埋めるための方法?


 先生方に言いたいことは、「批判されることを嫌うような、馬鹿げたプライドは持たないでください。」ということです
どうせ持つならば、「生徒が満足出来ないような授業はしない」というプライドを持っていただきたいです。

 ご自分で「能力が高い」と思われている先生ほど、「批判」には慣れていないと思います。
「もしかしたら、もっと効率的なやり方があるのでは?」と、いつも自問していただきたいのです。そして、「批判」の言葉に、耳を傾けていただきたいのです。それでも、自分のやり方の方が良いというのであれば、実際比べ、実証頂きたいのです。それが実証できたならば、今度は他の先生方に、ご自分のやり方を浸透させていただきたいです。先生方の力を結集して初めて、より良い、より効率的な英語教育のシステムができていくと思います。

 小さい頃から英語も話せるような環境で育ったバイリンガルでない限り、一般的な日本人が「英語をマスターする」など、有り得ないことと、私は思います。何年かビジネスで外国で暮らし、英語を使っていた人でさえ、日本に帰ってきて殆ど英語を使わなければ、英語力はどんどん落ちてしまいます。週に1度は英語を話す環境にあり、翻訳や通訳の経験のある私も、例外ではありません。
いつまで経っても「まだまだ」で、「日々勉強を続けなくては」と思っています。日本人にとっての英語とはそういうものだと、生徒達に教えてあげていただきたいのです。ただ、同時に、継続してやっていれば、それほどむずかしくないことも、伝えられるような指導をお願いしたいです。


市の教育委員会へ出した私の提言と、市の回答

 以下は、先生方や学校間の格差を埋めるために、市立の中学校で、「やっていただきたいこと」としてまとめ、何度か市の教育委員会に出した要望です。目の前で子供達が困っているのに、一個人が教育現場に口を出すのは、想像以上に大変なことでした。労力の割に成果があったとは全く言えませんが、まとめておこうと思います。

花マーク2013年〜2018年
 私は、市から委嘱を受けた青少年相談員や市の国際交流協会のボランティア通訳などをやっていた時期があったため、市役所には一般の方より、馴染みがありました。そこで、先生方の指導力格差を埋めるためには、市の教育委員会にお願いするのが一番良いと考え、2013年2月から、「公立中学校の英語教育について」ということで、数多くの提言をしてきました。
 市の教育委員会の方も、一応、耳を傾けてくださり、実際、何度かお会いして、話も聞いていただきました。初めの担当の方は、市教委の英語担当だったのですが、英語教員ではなかったため、英語に関する知識が乏しく、結果、私の提案の意義が全く伝わらず、「こんなことで大丈夫なのか?」と心配になりました。翌年に、「担当に、現役の中学校の英語科教師が加わったので、安心してください。」と言われましたが、そもそも、「それが最低限のことでしょ。」と呆れた状況は、今でもはっきり覚えています。

 私のサイトに、「中学校の英語教育について」というページを作ったのは、先生方に具体的に「英語教育の問題点と改善策」を示し、市内の公立中学校の生徒が、少しでもレベルの高い英語教育を受けられるように、力になりたかったからです。

 このやり取りで、相当な時間と労力を掛けました。暫くして、リンク「不規則動詞の活用表」の作成と配布時期について、同じ市内なのに、学校によりばらつきがあり、生徒の英語力にも開きが出ていることが、塾で教えていてわかったので、指摘したところ、先生方の研修会で、説明してくれるようになりました。ただ、市教委の担当者の方が変わると、せっかく良くなった流れも元に戻り、また、最初から要望を出し直さなければならないということもありました。「徒労…」という言葉が頭をよぎりましたが、こちらのサイトをお読みいただき、共感して私の指導法を参考にしてくださる方もいらっしゃり(メールや掲示板で確認)、「徒労ではない」と自分に言い聞かせて、サイト更新を続けています。

以下、数回出した要望に、要望の種類に合わせて添付した資料です。

@中学生の英語指導方法を、再検討されたい方へ
 リンク公立中学校の英語教育について
 リンク実際の勉強方法(中1〜高校)…目次

A発音指導が苦手な方へ
 こちらをお読みください。
 リンク英単語の発音と覚え方の指導について

B長文読解指導が苦手な方へ
 こちらをお読みください。
 
リンク英文和訳の指導について


花マーク2020年コロナ時期で活用できる作成動画について
《要望》

市教育委員会 学校教育課指導室御中  2020/06/18

私は、以前、市の青少年相談員を務めたことがあり、ワカタネ市の生徒が来日した時、通訳ボランティアなどをしたことがある****と申します。現在は、千葉県の語学ボランティアをしております。
市内の塾で中高生に11年間英語を教えてきた中で、英語教育を改善頂きたく、2018年頃までは、毎年のように意見を書かせていただき、学校教育課指導室の方々にも意見をお聞きいただいてきました。

現在、コロナウイルスの影響で登校自粛が続き、生徒達の英語の学習について大変危惧しています。先生方も、本当に大変であろうと思います。特に気になったのが、以前から塾に来る「英語が苦手」という生徒の多くが、基本的な動詞の意味や読み方がわからないという傾向があったことです。教えることが多くあり、先生方も発音指導までは、なかなか手が回らないのかと思っておりました。そこで、この度、不規則動詞の活用などを覚えられるよう、YouTube動画を作成してみました。一度ご覧いただき、ご活用いただけないかと思いメールしております。

私は現在個人で、「英語を話せるようになるため」の、無料英語学習支援サイトを運営しています。
http://makki-english.moo.jp/ 
こちらのサイト内の「覚える時期別・動詞の活用」というページに、「不規則動詞の活用」を6本、「動詞の活用/3人称単数現在形と~ing形の一覧」7本のYouTube動画へのリンクを貼っています。
http://makki-english.moo.jp/4conjugation.html
生徒達の動画視聴環境などに違いがあり、個々の先生が特定の動画視聴を生徒に薦めることが出来ないこともあるというような話も聞いています。その場合は、自治体の教育委員会などでご検討いただき、推薦して頂いてはどうかというアドバイスを頂き、こちらにメールさせていただきました。今までの経験上、かなり役立つ動画が出来たと思っております。どうか、一度ご検討いただき、研修会などでご紹介いただけたらありがたいです。

いつも、市の小・中学生の英語力向上を願っております。どうぞよろしくお願いいたします。


《回答》
市長あてのeメールをいただき、ありがとうございます。
中学生向け無料英語教材の活用につきまして、教育委員会からの報告を踏まえ、以下のとおり回答いたします。

新型コロナウイルス感染症の影響で休校措置となっていた令和2年度の教育活動につきましては、6月からようやく学校再開の運びとなりました。感染拡大防止のために、できる活動が限られる中、学校でしかできない学習に重点をおいて授業時数の確保に努め、丁寧に授業を進めていけるよう各校で工夫を凝らした授業を展開しているところです。

授業における英語の音声指導につきましては、
市内全中学校に1名ずつ常駐するALTを最大限に有効活用しております。音声の補助教材も各校に配布してはおりますが、ネイティブスピーカーによる生の会話のやり取りに勝るものはなく、ALTとのやり取りや音声を活用し、生徒の興味や関心を引き出し、文化や言語の違いを体験的に学習することにALTを役立てています。

今後、新型コロナウイルス感染症の拡大状況により、再度臨時休業(休校)が余儀なくされた時のために、
オンライン学習を念頭に置いたICT環境の整備も検討しております。
また、残念ではありますが、
市教育委員会から個人作成の特定動画を推薦することはできませんので、その旨ご理解くださいますようお願い申し上げます。

【担当:学校教育課 指導室】
令和2年7月3日

《感想》
個人が時間を掛けて作り、役立つと思って無料提供を申し出ても、使ってもらうことは、かなりむずかしいと実感しました。「県の通訳ボランティア、全国通訳案内士の資格、長年のボランティアでの翻訳や通訳での市への貢献」これがあっても駄目で、くじけそうになります。(2020年8月24日)

《デジタル教科書について》(2020年8月24日、読売新聞より)
 2019年度から、デジタル教科書(動画や音声機能を組み込んだもの)が小中高校などで紙の教科書と併用できるようになり、2024年度から本格導入を目指し 英語の教科書の会話などをネイティブスピーカーに朗読させたりすることが想定されているとのこと。使う場合は、パソコンやタブレットの1人1台配備が求められる。

*2019年度、デジタル教科書を小学校で導入した市町村は6.1%。端末の利用環境の整備。使用制限や費用負担の問題あり。
*今のところデジタル教科書は検定の対象外。



最後に、先生方にお願いしたいこと


 「英語」は、日本に居る限り、教える側もずっと勉強し続ける必要がある教科であると思います。普段英語を使う機会の少ない日本では、努力を怠れば、どんどん英語力は落ちてしまいます。

 そんな大変な教科だからこそ、先生方には、是非協力しあって頂きたいと思います。教科書は変わっても、英文法や英語の動詞の活用(リンク動詞の活用表いつ覚える?)など、何十年間も、それほど変わるものではないはずです。副教材として使うプリントも、話し合って、協力して、皆で良いものを作り、その良いものを生徒に提供してはいかがでしょう。使い回しは悪いことではないはずです。「問題」と思われるところを微修正していけば、どんどん良いものができるはずです。

 余裕ができた時間で、皆が気持ちよく意見を出しあえる、研修などの機会を増やしていただきたいと思います。生徒の英語の理解度の状況をしっかり見極め、良いところは褒め合い、良くないと思う指導法ははっきり指摘する。意見を出し合うことは、より良いものを作っていくための重要な過程なはずです。ただの誹謗中傷とは大きく違うのです。

 英語ほど、生徒が先生の人間性や指導方法に影響を受けやすい教科はないと思います。なぜなら、英語はコミュニケーション・ツールなので、自習がむずかしい教科だからです。特に初期の段階が大事です。生徒が英語好きになるのも英語嫌いになるのも、先生次第です。生徒をしっかり見て、生徒がわかりにくいところに気付いてください。生徒がわかるまで、しっかり説明してください。英語ネイティブでない日本人の先生なら、生徒の質問にその場で答えられないこともあるかもしれません。わからなかったら素直に謝り、次回までに調べるなど、誠実に対応してください。生徒は敏感に先生の人間性を見極めています。生徒は自分を育ててくれる、大切な存在です。敬意を持って接してください。

日々、お忙しいことと思いますが、どうか、生徒の英語力向上のため、ご尽力いただけたらと思います。



以上 


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メールやteacupの掲示板に投稿された教育関連の投稿と返信
(掲示板は2022年8月1日に閉鎖されたため、こちらに載せました。)

英語教師間でのいじめについてのメール
   送信者:現在高校の英語教員  送信日:2022年 9月6〜11日
《大変重い内容のメールを4通ほど頂いたので、私も熟考の末、返信をしました。送信者が個人情報漏れを警戒され、メールをサイトに掲載しないで欲しいと依頼がありましたが、現状の公開は意義があると判断し、原文を編集した上で掲載することにしました。そのため、質問文への返信が噛みあっていないところもあるのでご容赦ください。個人が特定されないように配慮したので、安心していただけると思います。》

《投稿》英語教員の教え方について:

指摘し合う雰囲気がある学校の場合、「自分の教え方の方が優れているのだから、自分に従えというような英語教員がいる」という事をお伝えします。その英語教員の方がおかしな教え方をしていることも少なくありません。文法知識が十分ではないのに、研究授業で派手に見えるだけの、中身のない授業をするケースもあります。

このような状況で、英語内の教員同士のいじめに発展することもあります。私も自分がいじめの被害者になったり、いじめの仲裁に入ったりしたことがありますが、誇張でなく「死ぬかもしれない」と思う程の心労がありました。

英語教員の少なくない人数が、英語の力が中途半端なのです。中途半端だから、上には上がいるという謙虚さを忘れ、傲慢な自信を持ち、他者の言うことを聞かず、好き勝手な教え方を貫いてしまうのだと思います。

私は、高い英語力を身に付けた教員(英検1級前後)は、大筋正しい学習方法や考え方ができたからそこまでのレベルになれたのだと思うので、そこで教え方の話し合いをすれば、方針が大幅にずれることなく、正しい方向に生徒を引っ張っていけると考えています。教員の英語力と英語の教え方は、ある程度リンクしていると思っています。


(Makki 返信)

貴重なご意見、ありがとうございました。私が参加しているFacebookの英語教育の関連グループでも、似たような投稿を見かけたことがあります。本当に悲しいことと思います。

英語ネイティブでない人間が英語を教えるという事は、本当に大変なことと思います。私は、色々な英語ネイティブのALTや英語教師と話した経験がありますが、英語の文法や語彙に関する私の質問に対し、満足がいく答えを返してくれた人はわずかでした。若くて人生経験が浅かったり、「国語としての英語」を専門的に学んだ経験がなかったからと思います。
英語ネイティブでさえ、こんな状況ですから、本当に胸を張って生徒に英語を教えられる英語力を、帰国子女でもない日本人が身につけることは至難の業です。生涯勉強が必要と思います。
英語教員に必要なのは、「謙虚さを忘れない」ということであると、再認識しました。

「教員の英語力と英語の教え方はある程度リンクしている」というご意見、ごもっともと思いますが、「英検1級前後のレベルの高い英語力を持つ先生」がどの程度いるのかと思います。さらに、英語が得意な先生方には、「生徒が英語を覚えられない理由が理解されていないのでは?」と感じることもありました。学校で落ちこぼれた生徒を塾で教えていて痛感したことです。

参考:英単語の綴りを書く事が苦手な生徒への支援が必要なのでは?

本当にむずかしい問題と思いますが、先生方には、何より謙虚さを忘れずに、くだららないプライドは捨て、生徒の英語力を伸ばす方法を理性的に考えていただきたいと思います。「いじめ」のような行為は最低な馬鹿がすることですから…



《投稿》研究会に積極的に出たり授業発表をやったりする人について:

私達英語教員には、リスニングが弱い、長文が弱いなど、多かれ少なかれ不得手な分野がありますが、それ故に自分が得意な技能だけを偏重した授業をやってしまうことがあります。

生徒は学力が低ければ低い程、授業への審美眼がないので、自分達が偏った授業を受けさせられていることに気づきません。また、学校という場所は「どんな授業でもきちんと聞くように」と生徒に強制する性質があるため、 偏差値の低い学校ではこのような授業がますます野放しになることがあります。
これも私が英語教員は総合的に自分の英語力を上げなければならないと考える理由です。

研究会に積極的に出たり発表をやったりする人は、私の経験上、担任になることを敬遠したり、試験問題を作らないなど、授業以外の仕事を他の人に押し付ける傾向があります。こんな理由で、研究会や授業発表が大好きだと公言する人を私は大いに警戒します。

生徒から慕われている教員が、裏で他の教員をいじめているというケースもかなり多く存在します。他の教員をいじめるエネルギーが、生徒にはカリスマ性に見えてしまうという構図ではないかと思っています。

英語の授業をドライに普通に仕事として捉えられず、偏った湿り気をもって行ってしまうのが、学校の一部の英語教員の性ではないかという気がします。学校の英語教育の現場の少なくとも一部は、カオスの世界です。


(Makki 返信)

メールをいただき、大変な中でお仕事をされていることが理解できました。ただ、「生徒は学力が低ければ低い程、授業への審美眼(?)がない」という箇所は同意できません。生徒は先生の事をよく見ています。勉強が苦手の生徒ほど、その傾向が強い気がします。私の知る限り、本当に生徒のことを思い、レベルの高い授業をしている先生は、概して生徒から慕われ、尊敬されている印象です。逆の先生は、生徒から嫌われ、軽蔑されている。
(追加で書いておきたかったこと: ただ、生徒全員から慕われるというのは、なかなかむずかしいことと思います。自分を信頼しない生徒を、敵視したり、避ける先生を見かけますが、そういう生徒に出会った時こそ、自分が学ぶチャンスと思い、原因を見つけ、対処方法を考えていただきたいです。教師は大人、生徒は子供。ヒステリックにならず、理性的に応対することが、お金をもらって教師をやっている人が、最低限するべきことと思います。)

教師とは、お金以上の対価を得られる素晴らしい職業と思います。
そしてそれは、塾講師などではなかなか得られない。親の事情で、生徒が続けたくても辞めさせられたりもしますから…
くだらないことに心を縛られず、生徒のためにも、教師を続けられることを願っています。

研究会に積極的に出たり発表をやったりする人に問題教師が多いかどうかは、学校内の事情を知らない私にはわからないことです。それこそ、Facebookなどの英語教育関連のグループなどで、解決策を見出していただきたい問題です。

パワハラは、どんな世界にも存在します。それを解決するには、そこに居る人達が、協力したりして対処方法を考え、少しずつ改善していくしかない気がします。私も自分にできることは、教育委員会への提言などを通してやってきたつもりですが、学校に関してはやはり部外者で、意見を通すのは大変でした。
教職員以外の民間の部外者が入った方が、もっと合理的でためになる研修などもできると思うのですが…

この件に関してはメールを頂いてもお役に立てず、申し訳ありません。
問題解決がなされることを、陰ながらお祈りしております。

《この送信者さんの最初のメールには、私のサイトを見て「仕事の参考にしたい記事がたくさんある」と書かれ、その後「意見交換をしたい」と一方的にメールを頂きました。ところが、内容がだんだん感情的になり、不満を切々と訴えられ、私もかなり気が滅入りました。
私が参加するFacebookの教育関係のグループでも、「いくら論理的に説明しても、全く話がかみ合わない教師が一定数いる」というような話が出たことがありましたが、そのあたりにも、問題の本質があるような気がしました。
今回のメールのやり取りで、言葉遣いにも気を遣い、多くの時間を割いて返信しましたが、私の最後のメールの後、お礼はおろか返信さえ頂けませんでした。この先生、「人としての常識は?」という思いが残ったということを、付け加えておきます。》




指導者は永遠の学習者
投稿者:中学英語教師 投稿日:2016年 5月15日(日)

makkiさんのお考えに大変共感しました。
現役の英語教員をしています。
私は、指導方法を学び、それを授業でアレンジした上で実践するのが大好きです。
なぜなら、生徒がみるみる成長していくからです。授業を苦痛に感じたことはなく、授業することだけが生きがいで学校に行っているようなものです。地域や全国の場でも授業や実践も発表しています。生徒の成績やモチベーションにも前向きな変化もありました。
しかしmakkiさんが書かれたように、自分の指導を変えない、というか学ばない教員に本当に腹を立てています。教科部会でも、こういうゴールに向けてやろう、こういう活動が効果的ですよ、と伝えてるのですが、変わらない。先生を批判することは絶対にないような子まで、授業がつまらないと言いだしているのにも関わらず。
言葉をきつくして、○○をしてください。と伝えていますが、全く。そろそろブチ切れそうな勢いです。
ただ愚痴を言っていても仕方ないので、少しずつですが、ジリジリ作戦を立てながら、変化を促しています。
ベテランだけでなくて、若手の教員もそうです。そんな程度の中身で、自分の指導方法に自信があるの!?それで生徒の成績が悪ければ、生徒の責任にする。もちろん、生徒の努力不足の場合も多々ありますが、自分自身が努力してないのによく言えるな、と。

makkiさんに一つだけ異論です。直訳を学習の基本と書いてらっしゃいますが、20世紀初頭からの外国語教育の指導理論、学習者の第二言語習得理論を学習されたほうがよろしいかと思います。makkiさんのサイト上の資料は大変有益なものです。しかし、翻訳や、そこに付随する直訳という学習方法の立ち位置は、客観的に見てみるべきであり、私は部分的にしか賛同はできません。もっというなれば、指導者の指導方法は経験的な蓄積だけでは絶対に不十分です。良い実践を学ぶことには大賛成ですが、体系的に指導の理論がベースにあってこそ。特に文科省がようやくセンター入試の変革に取りかかった今、日本語訳ベースの指導方法も変革を迫られてくると言われてます。これについては10年くらい前から言われています。
同じ英語教育に携わる者として、志高い方がいらっしゃることに、勇気をもらえます。フィールドは違いますが、お互い研鑽しましょう。


(管理人)

*このたびは、貴重なご意見をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。
「指導者は永遠の学習者」という題名にも、感銘を受けました。

私は、10年ほど前から、塾講師をやり始め、地域の英語教育のひどい現状を知ることになりました。地区の教育委員会にも改善を訴えてきましたが、言葉だけではどうにもならず、このホームページの開設に至りました。

投稿者様の、「教科部会でも、こういう活動が効果的ですよ、と伝えているが変わらない。学ばない教師に腹が立つ。少しずつですが、ジリジリ作戦を立てながら、変化を促しています。」というお話に、胸が熱くなりました。こんな素晴らしい教師の方がいらっしゃるなんて!これからもご活躍、心よりお祈りしております。

*異論を頂いた、「直訳を学習の基本ということに異論」ということについて、私の意見を書かせていただきます。

@「外国語教育の指導理論、学習者の第2言語習得理論を学習された方がよろしい」ということですが、私は、教師が本職ではないので、指導理論等は全く学んでおりません。東京外語大学の院生の方から、Communicative Language Teachingというのがあり、現在、私の町で使っている教科書がこれに基づくものではないかという話を聞きました。投稿者様が、この理論について言及されているかわかりませんが、私は、その教科書と、教員の指導力のせいで、私の町の生徒の英語レベルが上がらないと感じています。
以前、ボーイスカウトの通訳で、ブータンのスカウトと話したことがあります。彼女達の英語力の高さに驚きましたが、ブータンでは、小学1年生から英語を学び始め、英語以外の授業にも英語を使うと聞きました。
このような環境でしたら、CLTは有効でしょう。しかし、環境の違う日本で、同じ理論が、本当に有効なのでしょうか。日本国内でも、地域によって、英語に関する環境は、大きく違うと思います。
「体系的な指導理論」は確かに大切だと思います。しかし、実情に合ったものでなければ、机上の空論になってしまうのではないでしょうか。

参考:教科書の選定方法に問題があるのでは? http://makki-english.moo.jp/contentfirst2otherstextbook.html

A「翻訳やそこに付随する直訳という学習方法の立ち位置は、客観的に見てみるべき」と書かれていますが、ご指摘の意味が理解できませんでした。できれば、もう少し具体的に教えていただけると幸いです。ただ、わたしのホームページでは、翻訳(意訳)と直訳は全く別物と書いています。

参考:英文和訳は必ず直訳を! http://makki-english.moo.jp/1howtotranslate.html

直訳をしない生徒に、「宿題を手伝って!」を英語にしてもらうと、Help my homework.と答えることが多いです。英語を話す者から見ると、「ホームワークという生き物を助けて!」のように聞こえます。
私が力を入れている、スラッシュリーディングでは、Help me/ with my homework. 「私を手伝って/私の宿題で。」と直訳させます。
しっかり直訳できる生徒は、高校生になっても、長文読解もきっちりこなせます。英文を作る能力も増し、英語を話す力もつきます。
Help me with my homework.を、投稿者様なら、どのように教えますか?

参考:スラッシュリーディング http://makki-english.moo.jp/4reading2.html

*中学で、直訳を教えない学校が、ますます多くなっている印象を受けます。高校でも同様です。しかし、直訳ができる生徒とできない生徒の英語力は、高校になると益々開いています。偏差値の高い高校であっても同様です。これが現状なのです。(帰国子女や、英語をよく使える環境にある生徒はもちろん別ですが…)

投稿者様のご指導方法、また機会があれば、お聞かせいただきたいです。それに関するページなどありましたら、見せて頂ければありがたいです。場合によっては、リンク等、貼らせて下さい。どうぞよろしく、お願いいたします。



中学校英語教育に立ち向かう
投稿者:
落合 投稿日:2016年12月31日(土)

Makkiさん、こんにちは。
英語教育の指導方法等について、共感する部分大いにありました。
ちなみに、私は中学生(英語に関しての初心者)を教えているので、「直訳」は大切だと思っています。
「直訳」の良い点は、日本語と比較したときに、省略することができない単語(代名詞など)があることに気づけるという点だと思います。また、日本語訳と英語の文を対にすることで、どの日本語がどの英語にあたるのかというのを確認でき、単語練習としても有効だと思っています。
今現在、中学校英語のブログやホームページ等を調べていて気づいたことがあります。
教授法や働き方に関することに関しては多くのライター方がいるにもかかわらず、どういった仕事内容でどういう問題点があるのかということが説明されていません。
そのため、最近ブログをはじめました。Makkiさんの塾の子どもたちの声から、上がってきた貴重な意見と合致するかはわかりませんが、私がいま都内で働いていて問題だと感じることを書いています。もしお時間がありましたら読んでみてください。またご意見や質問等をいただけたら、きちんと答えていきますのでよろしくおねがいいたします。
http://blog.livedoor.jp/js_english_teacher/



(管理人)
投稿いただき、ありがとうございました。また、返信遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。
ブログ、興味深く拝見させていただきました。落合様の学校での奮闘ぶりを想像し、頭が下がる思いです。「やる気のない先生」というか、「指導力のない先生」を変えていくのは、大変と思いますが、誰かが声を上げ、行動に移さなければ、何も変わりません。是非是非、頑張っていただきたいと思います。

私は、中学生と高校生に英語を教えていますが、前職は輸入関連業務をやっていたため、教員の方の英語指導方法が、どのようになっているのか、全く知りませんでした。塾の講師を始めて驚いたのは、「先生方の指導方法は、同じ学校であっても先生方まかせ。しかも、基本中の基本の指導方法もまちまち」ということです。これでは、普段英語を使わない日本では、生徒の英語力は、生徒の努力よりも、先生方の指導力に依るところが大きくなってしまうのも当たり前です。地元の教育委員会にも、最低水準の指導力の維持を再三お願いしてきましたが、なかなか浸透しないのが現状です。一般企業では考えられないことです。
参考:指導力がある先生の指導法が浸透しない理由は?
http://makki-english.moo.jp/contentfirst2othersupplementarymaterial.html

1つ、質問があります。海外長期滞在経験のない中学校の英語教員の方は、普通、どの位、英語を話せますか?私は、海外長期滞在経験がありませんが、英語を話します。日本国内で英語を話せるようになるためには、スラッシュリーディングと直訳の概念が必要だと痛感しています。しかし、今は、直訳をやらない学校が多い。直訳ができない生徒は、結局、高校生になっても、本当の英語力がつかないのが現状です。そのことを、中学校の教員の方は、ご理解されているのでしょうか?
今日、筑波大の過去問の長文読解指導を高2の生徒に行いました。偏差値60~70の生徒ですが、それでも直訳の大事さを痛感しました。赤本には、意訳しか載っていないので、難易度の高い文の構造を、生徒自身で見つけることが困難でした。「解答に意訳しか載せない。」こういう指導が、英語ができない生徒を作ると、私は考えています。
参考:長文読解、英文和訳から英文速読へ
http://makki-english.moo.jp/4reading.html

最後に、学校の先生方の部活動の指導については、本当に頭が下がります。私は、ボーイスカウトのリーダーをやっていましたが、もちろん無報酬でした。しかし、私が会ったアメリカ隊のリーダーは、報酬を得て行っているプロで、その違いに驚きました。学校の部活動についても、同様の部分があるのではないでしょうか。どちらが良いか、はっきり言える知識はないのですが、良い部分は取り入れることも必要かと思っています。




Sunshineに負けないぞ
投稿者:雑草 投稿日:2017年 5月19日(金)

Makki様
はじめまして。
昨年から、自宅で中学生に英語を教えている元高校教師です。「サンシャイン わかりにくい」などのキーワード検索で、こちらのサイト内の「教科書の選定方法に問題があるのでは?」のページに辿り着きました。
私の居住地でも中学校の英語の教科書はサンシャインです。
サンシャインのわかりにくさ、特に中1の内容に怒りすら覚えながら日々指導しています。
全ての教科書であの順番で教えているのかと思っていましたが、たまたま購入した市販の問題集に、各教科書会社ごとの学習事項の順番が列記された表が添付されていて、サンシャインの特殊性を知りました。
この怒りをどこにぶつけたら良いのか悶々としているばかりでしたが、実際に行動を起こされたMakki様に感銘を受け、自分自身を恥じるばかりです。
本文の中で触れらている「公教育」という言葉自体、心に、頭にある教育関係者はどれほどいるしょうか。
(昨年の教科書会社から教員への全国規模での「金品授受」に関しても、本来であれば「受託収賄事件」として、重大な報道がなされてもおかしくないのに「金品授受」という言葉でごまかしているように感じます。公務員たる教員のモラルの低下とそれを増長しているメディアに怒りを感じます)
実は私の地区(学区)には、サンシャインの執筆協力者の一人が勤務する学校があります。そのことからしても、この地区が別の教科書を採択することは無いと思われます。
私にはMakkiさんのような行政への働きかけは出来ないですが、せめて自分の生徒を救い上げるしかありません。
Makkiさんの他のページはまだあまり拝見しておりませんが、日々の指導の参考にさせていただきます。
単なる不満を吐き出しただけの乱文、失礼しました。


(管理人)
私の本職は教師ではなく、教員免許も持っていないので、教育委員会に意見を申し上げる際、「部外者」のように思われる中、行動してきました。高校教師をされていた方に、共感を頂け、大変心強く、嬉しく思います。

いろいろ調べて分かったことは、教科書採択委員の方の多くは、英語に精通されているわけではないということです。2016年4月の読売新聞によると、私の在住する千葉県では、英検準1級以上の中学教員は30.3%と全国最下位でした。教員ですらこのレベルですから、仕方ないのかもしれませんが、こんなことで良いとは思えません。多くの方に、金品授受以外に、教科書採択方法に大きな問題があることを、知っていただきたいと思っています。

私は、塾の講師を始めた時、「学校の授業でわからなかったことを教える」ことが自分の役目と思っていたのですが、be動詞・一般動詞という言葉すらわからない生徒が何人もいて、これは先生の側に問題があると思いました。さらに、サンシャインの教科書を見て、これで文法を教えるのは困難と感じました。私立中学では、教科書の他に、副教材として、しっかりした文法書を使用しているところが多いので、公立中学にも採用できないものかと思うのですが、無理なのでしょうか。

私は、今年、通訳案内士の資格を取りましたが、英語を話すために、英文法はとても大事であると思っています。中学生を教えるようになってから、自分自身の英会話力も上がったとさえ感じています。

>せめて自分の生徒を救い上げるしかありません。

自分もそのような気持ちで、塾講師をやっていました。さらに、塾で教えてあげられない生徒のためにと思い、このサイトも作っています。ご活用いただけたら幸いです。また、ご意見などありましたらお寄せ下さい。
動詞の活用表 http://makki-english.moo.jp/4conjugation.html などは、役立つと思いますが、生徒さんには、無料で配布いただけると幸いです。

当サイトのトップページは、
http://makki-english.moo.jp/

「小・中・高校の英語教育について」は、
http://makki-english.moo.jp/contentsfirst2.html