文部科学省が公表した2015年度の英語教育実施状況全国調査結果で、英検3級程度以上の英語力を持つ中学3年生は36.6%、英検準2級程度以上の英語力を持つ高校3年生は34.3%ということが示されました。(2016年4月4日発表。4月5日付け、読売新聞より)
この調査結果から、日本の英語教育はまだまだと感じます。
参考:英検について・正答率60%で合格させる問題点
同じ紙面に、「教員のレベル向上が必要」との見出しがありました。同省の2015年度の全国調査で、英検準1級以上の中学教員の割合は30.2%、英検準1級以上の高校教員の割合は57.3%というものです。実際、英検準1級が目安になっているようですが、英検準1級で、英語がペラペラかというと、そこまで認定されるものではありません。ペラペラな人もいれば、そうでない人もいる。その程度の基準に達しない人が、英語を教えている現状に、問題を感じずにはいられません。
この調査の中で、私の在住する千葉県は、英検3級程度以上の中3は52.1%、準2級以上の高3は45.5%と、全国トップレベルでした。しかし、英検準1級以上の中学教員は30.3%、高校教員は全国最下位の39.2%ということです。この数字をどう読んだら良いのでしょう。
私は、千葉県内で、10年以上塾の英語講師をしています。そんな中、学校で全く英語が分からなくなってしまった生徒が、塾に来ることで、めきめき力を付ける様子を見てきました。また、2012年度より、会話重視の教科書になり、塾に通えない生徒が、以前よりも英語理解に苦しんでいる生徒がいることにも気づきました。昨今、教科書謝礼問題が起きたことで、教科書採択会議において、教科書の中身をしっかり見極めようとする姿勢が却って後退してしまったのではないかと思え、本当に残念でなりません。
平成23年度、教科書採択地区協議会の議事録からわかったこと
英語は、継続しないとすぐ忘れてしまう教科です。多忙を極める教員の方々が、ご自身の英語力を、維持または向上させることのご苦労も、理解しているつもりです。そこで思うのが、
「英語はコミュニケーションの道具と割り切り、もっと効率的に、生徒が習得できるような指導をしてはどうか。」
ということです。一部の私立学校や塾でやっているような、指導法です。効率的な指導は、生徒のためになるだけでなく、先生方のご負担の軽減にもつながると思うのです。
もし、私の意見に関心を抱いてくださる教育関係者の方がいらしたら、以下のページを読んでいただけると幸いです。私が感じる、学校での英語教育の問題点と改善策をまとめてみました。もちろん、私の提案以上に素晴らしい教育を施されている先生方も多くいらっしゃるとは思います。しかし、すべての公立学校の先生方に、以下のページで挙げるような、最低限の指導はしていただきたいのです。「経済的弱者は塾に通えないから、勉強ができず、貧困の連鎖を生みがち。」などという論調がありますが、おかしな話です。昔は、塾に通えなくても、勉強のできる生徒はいました。すべての子供たちが、塾などに通わなくても、「英語でコミュニケーションがとれるなんて、自慢することでもない、当たり前な事」と感じられる日が来ることを、願ってやみません。
2016年12月8日改訂
文部科学省の学習指導要領が改訂され、現在、小学校5年生・6年生も、週1コマ、年35単位の外国語活動を行うことになり、また、ゆとり教育の見直しで、平成24年(2012年)の4月から、公立中学校の英語の教科書が、急に難しいものに変わったところもあるようです。「会話力の強化」にも配慮していて、一見、とても魅力的だけれども、文法指導が難しそうな教科書も普及しています。そのため、生徒の成績が格段に下がっている地域も実際あります。そんな中、「ある市の小学校・中学校の先生方を指導する立場にある教育委員会内の指導委員の英語の担当者が、元小学校の教員で英語に精通していなかった。」という事実を知り(2014年10月)驚きました。4〜5人の指導委員が、市内小中学校全8校全教科を見るので、仕方ないとのことでしたが、こんなことで良いのでしょうか。
私は、ここ8年間ほど、塾講師として、小学生から大学志望の高校生まで、公立・私立問わず、いろいろな生徒に英語を教えてきました。そして、特に公立中学校の英語教育の現状に、問題を感じてきました。学習指導要領の改訂で、不安は、益々大きくなっています。私は教員免許を持っていません。大学も、英文科や教育学部の卒業でもありません。しかし、いろいろな国の人たちと、英語を使って、文書においても会話においても、コミュニケーションをとる必要のある場面を経験してきました。このような経緯の人間だからこそ、言える意見があると思い、ここに書かせていただきたいのです。
「英語はコミュニケーションの道具」と割り切り、もっと効率的に、生徒が英語を習得できるような指導はできないものでしょうか。一部の私立学校や塾でやっているような、効率的な学習方法の伝授です。
もし、私の意見に興味を持っていただける教育関係者の方がいらしたら、以下のページを読んでいただけると幸いです。私が感じる、学校での英語教育の問題点と改善策をまとめてみました。もちろん、私の提案以上に素晴らしい教育を施されている先生方も多くいらっしゃるとは思います。しかし、すべての公立学校(特に中学)の先生方に、以下のページで挙げるような、最低限の指導はしていただきたいのです。「経済的弱者は塾に通えないから、勉強ができず、貧困の連鎖を生みがち。」というのは、おかしな話です。昔は、塾に通えなくても、勉強のできる生徒はいました。もう少しレベルの高い義務教育をお願いしたいのです。
すべての子供たちが、塾などに通わなくても、「英語でコミュニケーションがとれるなんて、自慢することでもない、当たり前な事」と感じられる日が来ることを、願ってやみません。
2015年5月1日改訂
1 中学校の英語教育について
*こちらは、千葉県内の某市の公立中学の実情を踏まえて、書いたものです。既に改善されている地域の教育関係者の方々には、失礼いたします。
1) 英単語の発音と覚え方の指導について
*発音指導が不十分な学校があるのでは?
*英単語の綴りを書く事が苦手な生徒への支援が必要なのでは?
*英単語の覚え方の指導も必要なのでは?
2) 主語・人称代名詞の説明の仕方について
*「主語の重要性」をもっと強調する必要があるのでは?
*「人称代名詞の一覧表」を、早い段階で暗記させるべきでは?
3) 動詞(Be動詞と一般動詞)の説明について
*「動詞」について絶対覚えておくべきことが
生徒に伝わっていないのでは?
*be動詞と一般動詞、2種類という概念をもっと強調すべきでは?
4) 英文和訳の指導について
*英文和訳の直訳を、しっかり指導する必要があるのでは?
*「英文和訳」の指導自体が不十分な学校があるのでは?
*英作文の指導が不十分な学校が多いのでは?
5)不規則動詞などの活用表の配布時期について
*不規則動詞や形容詞の活用を、適切な時期に
教える必要があるのでは?
*そもそも、活用など、毎年変わるものではないのだから、
良い教材を全国共通で使えばよいのでは?
6)学年別、学期別、効率的な英語指導法・提案
1)〜5)で提案したことを、学年別・学期別にまとめました。
*中学校での効率的な英語指導・総まとめ
*学力別クラス分けについて
*10分間で生徒の英語力を見分ける方法
7)ALTとの連携について
8)その他、生徒指導で、問題と思われること
*記述式の解答に、部分点を与えない。(1箇所間違えたら、0点!?)
*教科書の選定方法に問題があるのでは?
*指導力のある先生の指導法が浸透しない理由は?(高校も含む)
2 小学校の英語教育について(幼児教育も含む)
1)適切な学習時期と内容
@小学校1,2年 (幼稚園児なども含む)
…正しい英語の発音に触れ、単純に英語を楽しむ時期
A小学校3,4年
…英単語の正しい読み方を覚えながら英語を楽しむ時期
B小学校5年6年
…簡単な文法を覚えて、自分で英文を考えて、会話を楽しむ時期
2)問題になると思われる事柄と解決策
@小学校での英語指導に関する、指導方法が不明
…英語教育に関するしっかりしたマニュアル作成が必要
A自信を持って英語指導できる先生の不足
…英語指導のできる先生の養成と、教育補佐の確保
3 高校の英語教育について
4 公立中学校の英語教育について
文科省・英語教育改革担当者に改善頂きたい事
1)教育委員会の在り方について
*英語に精通している人材が、足りていないことがあるのでは?
2)適切な英語教材について
*不規則動詞の活用表など、全国一律でも良いのでは?
3)英語を話せるようになるために、必要な事
*英文法・英会話・英文翻訳、
何がどのように重要なのか、方向性の示し方に問題があるのでは?
4)英語だけで進める英語の授業について
《生方へのサポートが必要なのでは?》
*文法は日本語で進めた方が、生徒の理解が深まるのでは?
*先生方の英会話力をどう維持・向上させるか?
*先生方用に、英語で英語の授業を進める方法を書いたマニュアルを
作成したり、