1中学校の英語教育について

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3) 動詞(Be動詞と一般動詞)の説明について


 どちらかというと真面目に勉強してきて、そこそこの理解力も持っているのに、「学校の英語の授業がよくわからない」と言って塾に来る生徒の多くが、《「主語」と「動詞」についての理解が良くできていない。》ことが理由であるとわかってきました。逆に言えば、このような生徒に対しては、塾でここの所だけを徹底的に教えてあげれば、 「英語が分かるようになって、英語好きになった。」などという結果につなげることは、容易なのです。

 「生徒の英語の成績を上げて、英語好きにすれば、生徒からも保護者からも感謝される! 塾の講師って、なんて楽で満足度の高い仕事だろう!」
なんて、考えることもできますが、良く考えればおかしな話です。
「なんで、こんな簡単なことが、学校の授業で徹底されていないのだろう?」
塾の講師をしている中で、こんな思いが本当に強くなってきました。そんな思いが、このホームページ立ち上げの一要因になったと言っても過言ではないのですが…





*「動詞」について絶対覚えておくべきことが生徒に伝わっていないのでは?


  中学2年生以上の生徒で、英語がよくわからなくなっている場合、まず、前章の「主語」について確認します。それがわかっていれば、次に教えるのが、「動詞にかかわる以下の3点」です。実はこれが理解できていない生徒が非常に多い。逆に、これが理解できれば、あとは、よく使う一般動詞の意味と活用を覚えさせる。それだけで、英語の理解度が格段に上がるのです。

  参考:
動詞の活用、形容詞の活用「いつ覚えるの?」



   *「動詞」について、絶対覚えておくべき3つのポイント*

    1)英語には、必ず動詞が必要である
         (日本語の文法の動詞とは分けて考える必要あり)
       その種類は2種類・・・・・Be動詞と一般動詞
         (進行形の文で使うのはBe動詞)

    2)英語の肯定文は、基本、「主語」の後にすぐ「動詞」が来る
       …最も日本の文法と異なるところ
         (例外…「命令文」と「There is 〜」の文)

    3)助動詞の後は必ず動詞の原形




  よく、塾の講師の間で、「今時の中学生は、3人称単数現在形もわからない。」とか、「現在進行形なのに、I playing tennis. などの文を作ってしまう。」という苦情(悩み?)が話されます。私も教え始めた頃は驚きました。しかし、上記の原則がしっかり理解されると、意外にその後の指導はスムーズになります。

  進行形の指導では、ここで使う文法は、「一般動詞ではなくBe動詞である」と教えれば、「Be動詞」の原則に沿って、肯定文、疑問文、否定文を、生徒自ら導き出せるのです。

  一般動詞のについては、
      1〜2人称の現在形の文「I play tennis.」、疑問文と否定文で使う助動詞は「do」
      3人称単数現在形の文「She plays tennis.」、 使う助動詞は「does」
      一般動詞過去形の文「I played tennis.」、 使う助動詞は「did」

上記の原則がわかっていれば、やはり肯定文、疑問文、否定文を、意外と早く理解できます。

  さらに、中1で覚えるべき動詞の活用表を渡してあげれば、そこそこの英文は自分で作れるのです。





*「Be動詞」と「一般動詞」、2種類という概念をもっと強調すべきでは?



 一番問題であると感じる事・・・・それは、「Be動詞」と「一般動詞」の認識を、生徒たちがしっかり持っていないということです。英語の動詞は、日本語の動詞と違うということ。英語には、必ず動詞が必要で、その動詞の種類は2種類、「Be動詞」と「一般動詞」であること。学校の先生方には、必ず、繰り返し、ここのところを強調していただきたいです。

  会話重視の教科書にも問題を感じます。

 "Are you a student?"   "Yes."
 "Do you like English?"  "No."

確かに、英会話なら、自然かもしれません。しかし、このような受け答えに慣れた生徒に「丁寧に答えて!」と言うと、

 "Are you a student?"    "Yes, I do."
 "Do you like English?"   "No, I'm not."

このように、恐る恐る答える生徒もいるのです。なんで、何度も音読して練習すべき教科書に、このような文を載せる必要があるのでしょうか。省略は簡単にできます。しかし、付け足すのは難しい。
会話重視と文法軽視を履き違えている気がしてなりません。


  さらなる問題が、中1で教える文法の順番が、会話重視のせいか、「Be動詞の1人称2人称」→「一般動詞の1人称2人称」→「Be 動詞の3人称単数」→「一般動詞の3人称単数」になっている教科書があるということです。私は、すべての中学校の事情を理解しているわけではありません。しかし、現在教えている生徒が使用している市立中学の教科書は、このようになっており、1年生の生徒の英語理解度は目を覆いたくなるような状況なのです。つまり、
「Be動詞」と「一般動詞」がごちゃごちゃになってしまい、簡単な英文がスムーズに作れないのです。

 "This is a pen." こんな英語は使わないから後回しということですか?
"What's that?""It's a mechanical pencil."文房具が多様化している今、こんな会話も成り立つはずと思います。「this」「that」「it」の使い分けもごちゃごちゃになってしまう生徒が出現しています。


  
2014年2月13日の読売新聞に次のような記事が掲載されていました。
文部科学省、新設の大学や学部などの運営状況を調べた2013年度の超さ結果を発表し、(大学なのに)必修科目の英語でbe動詞の使い方などを教える授業が行われており、大学教育にふさわしい水準に改めるよう、ヤマザキ学園大(東京都)に求めた。」
この記事を見て、本当に驚きました。わからない学生がいるから、大学はその授業をする必要性に迫られているはずなのに、何を求めているかわかりません。基礎がしっかりしていないところにいくら立派な建物を建てようとしても、すぐに崩れてしまいます。しかし、基礎を確実に補強しておけば、それなりの建物にはなるはずです。大学がこのような対応を取らなければいけないのは、「中学1年の指導法にも問題があるのではないか」という方向に目が向いてくれることを願います。
  中学1年で習う「be動詞」は、簡単そうで、しっかり習わなければ、日本人には大変難しいと思います。しかし、今の中学の授業では、「be動詞」と「一般動詞」の違いの指導が十分でない気がします。特に英会話になった時、そこそこのレベルの学生でも、(学生に限らず大人もですが、)一般動詞とBe動詞の使い分け(特にWH−Question の疑問文の作り方など)がはっきりできていないため、会話がスムーズにできないなど、案外多い事も目にしてきました。教育行政にかかわる方々には、是非この現状について、考えていただきたい思いでいっぱいです。

   参考:「意外に役立つBe動詞について」


  何度も書きますが、とても分かりやすく効率的だと思える授業をなさっている先生方も、もちろんいらっしゃいます。しかし、そうでない場合が問題なのです。
「親が余裕がなく、子供を塾に入れられないから、格差が生まれる」というのは、おかしな話です。公立学校でも、やる気のある生徒ならば、塾に行かなくても大丈夫なレベルの教育が必要ではないでしょうか。評判の良い授業があれば、それをマニュアル化して、分かり易い授業を増やすことはできないのでしょうか。生徒の立場に立って、考えていただきたいのです。