英語には、必ず「主語」が必要ということが、日本語との大きな違いと書いてきました。ところが、天候や時間、漠然(ばくぜん)とした話など、明確な「主語」が分かりにくい文もあります。このような時、itを使うことになっています。基本「it=会話や文中で問題にしているものを指す」と覚えておくとよいでしょう。
1.時、天候、距離などを表す文の主語になる
天気の表し方 かかる時間と距離
2.すでに出た、語・句・節を指す
3.ばくぜんとした状況や事情を表す文の主語になる
4.itが形式主語になる場合など 形式目的語のitはこちら
文法問題:以下の形の文のitは何を表しているでしょう?
It takes (time) to do~.
5.強調構文で使われる it (←別ページです)
長文読解/長文の中で出てくると、わかりにくいitとthat
「なぜitで天気や時間の話なの?」 (2021/7現在)
↑英語翻訳者のケイタさんのサイト内の説明…わかりやすいです。
itが主語の基本例文 | 和訳 (直訳を基本とします) |
解説 | |
1.時、天候、距離などを表す文の主語になる ここでの主語のit は、日本語に訳すのは無理があるので、日本語に訳しませんが、英語には必ず主語が必要なので、itが置かれます。 曜日、月を表す英単語一覧はこちら |
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What time is it? It's seven (o'clock). It's seven thirty (o'clock). |
(今)何時ですか。 7時です。 7時半です。 |
o'clock=オクろックゥ=~時 *数字を忘れてしまった人は、以下をチェック! 数の表し方 このように時間を聞く時は、now (今)を実際の会話では付けないのが普通のようです。 |
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What day is it today? (=What day of the week is it today?) It's Monday. |
今日は何曜日ですか。 (=今日は週のうちの何曜日ですか。) 月曜日です。 |
→曜日を聞いている。 *米国では、新聞での出来事も、日付ではなく曜日で表すことが多いです。 「曜日」「月」の一覧 |
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What is the date today? (=What date is it today?) It's December 24. |
今日は(何月)何日ですか。 12月24日です。 |
→日付を聞いている。 24=twenty-fourでも良いのですが、序数のtwenty-forthで覚えてみましょう。 数の表し方 |
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天気の表し方 天気・天候の表し方について、もっと詳しくはこちら |
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How is the weather in Tokyo in summer? It's hot. |
《現在》 夏の東京の天候はどうですか。 暑いです。 |
weather=ウエざァ =天気・天候 yesterday=イエスタデイ =昨日 rainy=《形》雨の wasはisの過去形 |
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How was the weather yesterday? It was rainy. |
《過去》 昨日、天気はどうでしたか。 雨でした。 |
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How will the weather be tomorrow? It will be cloudy and cold. |
《未来》 明日の天気はどうなるでしょうか。 曇りで寒くなるでしょう。 |
←中2で学習する未来形の文 未来形と天候に使う英単語はこちら |
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かかる時間と距離 | |||
How long does it take from here to the station? It takes about fifteen minutes. |
ここから駅まで、どのくらい(時間が)かかりますか。 約15分かかります。 |
かかる時間を聞いている It takes~to do文はこちら |
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How far is it from here to the station? It is about two kilometers. |
ここから駅まで、どのくらい遠いですか。 約2キロです。 |
かかる距離を聞いている |
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2.すでに出た語・句・節(相手に何かが分かる事柄)を指す | |||
Look at this car. It is my father's. |
この車を見て。 それは、私の父のものです。 |
it=this car | |
You look sad. What is it? |
あなたは悲しそうに見えます。 何ですか?→どうしたの? |
it=You look sad. | |
値段 | |||
How much is it? It's two thousand yen. |
(それは)いくらですか。 (それは)2,000円です。 |
*How much is this T-shirt? のように聞いてもOKですが、買いたい物がわかっていればitを使う方が普通? |
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How much does it cost? It costs too much. (≒The price is too high.) |
(それは)どのくらい(金額が)かかりますか。 (それは)ものすごくかかります。 ≒値段は高すぎます。 |
cost-cost-cost =コストゥ =《名》値段 《動》(金額が)かかる It costs ~to do文はこちら |
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すでに出た句や節を指すit | |||
We wanted to fly there directly, but it wasn't possible. | 私達は、直接そこに飛行機で行きたかったが、それは可能ではありませんでした。 (=直行便で行きたかったが、不可能だった) |
*it =to fly there directly |
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He likes eating sweets, but he won't admit it. | 彼は甘いものを食べることが好きですが、彼は(→本人は)それを認めようとはしません。 | *it =He likes eating sweets. |
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3.ばくぜんとした状況や事情を表す文の主語になる …決まり文句が多い。 ここでの主語のit は、日本語に訳すのは無理があるので、日本語に訳しませんが、英語には必ず主語が必要なので、itが置かれます。 |
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It's not your turn. | 君の番じゃないよ。 | 《ゲームをしている時など》 turn=ターンヌ=順番 |
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It's my turn. | 僕の番だよ。 | ||
It is noisy in here. | ここはうるさい。 | ←hereではなくin hereにすると、室内のニュアンスが加わります。 | |
How is it going? | どう進んでいる? →調子はどう? |
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4.Itが形式主語になる場合など 形式目的語のitはこちら …詳しい説明などは、関連ページをご覧ください。 中学範囲のit-toの文 形式主語のitの説明。例文もたくさん載せています。 it-toの文。it-thatの文。(高校レベル) |
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It is interesting to use the smart phone. | スマホを使うことはおもしろいです。 | ←itが形式主語 *it= to不定詞から始まる名詞句 中学範囲のit-toの文 |
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It is a lot of fun for me to play tennis with my friends.. | (私の)友達とテニスをすることは、私にとって、とても楽しいです。 | ||
「時間」がかかることを表す、It takes から始まる文 | |||
It takes long time for him to peel an apple. | 彼がリンゴの皮をむくには、長い時間がかかります。 | 下のように、 「take O₁O₂ to do = O₁が~するのに O₂かかる」 のような表現もあります。 |
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It takes him long time to peel an apple. | |||
文法問題:以下の文のitは何を表しているでしょう? It takes (time) to do~. 1)it=形式主語、to不定詞=名詞的用法 /~することは(時間が)かかる 2)it=時間を表す時の主語、to不定詞=副詞的用法 /~するのに(時間が)かかる 実は、ネットなどで調べると、どちらの説も主張されています。『ロイヤル英文法(p,183)』には、「どちらとも考えられる」と書かれてあるそうです。意味がわかれば、文法にこだわる必要はないのですが、はっきり理由を知りたい人は、あいまいさの根拠になるような例文をご覧ください。 |
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「飛行場へ行くには約1時間かかります。」 上の文を3パターンで言い換えてみましょう。 |
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It takes about an hour from here to the airport. | ここから飛行場まで約1時間かかります。 | 左はすべて、itは時間を表すための主語。 1番下の英文からわかるように、下2つの不定詞は副詞的用法と考えるとしっくりします。 しかし、以下の文はどうでしょう。 |
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It takes about an hour to get to the airport. | 飛行場へ行くには約1時間かかります。 | ||
To get to the airport, it takes about an hour. | |||
「彼がその小説が書くのに、2年かかりました。」 上の文を5パターンで言い換えてみましょう。 下の5つの例文は、ジーニアス英和辞典から引用しました。 |
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The novel took him two years to write. | その小説は、彼が書くのに2年かかりました。 | 《不定詞は副詞的用法》 | |
He took two years to write the novel. | 彼は、その小説を書くのに、2年かけました。 | ←人が主語の場合、費やした時間の焦点が来る。 《不定詞は副詞的用法》 |
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あいまいさの根拠になるような例文 | 彼がその小説を書くのに、2年かかりました。 | ←it= to write the novel 行為者(彼)の長い苦労を含意する。 《上の文から、不定詞は副詞的用法と考えられるが、下の文では、itを形式主語と考え、不定詞は名詞的用法と考えるのが自然》 |
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It took him two years to write the novel. | |||
To write the novel took him two years. | その小説を書くことは、彼に2年かかりました。 | ←to write the nobel / wiritng the novelが主語の時は、書く行為に重点が置かれています。 《不定詞は名詞的用法 /動名詞にも置き換えられる》 |
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Writing the novel took him two years. | その小説を書くことは、彼に2年かかりました。 | ||
「費用」がかかる場合 | |||
It cost ten thousand yen to fix the computer. | そのコンピューターを修理するのに、1万円かかりました。 | *cost+(人)+費用 =((人に)費用)がかかる costの活用は cost-cost-cost It costs=現在形 It cost=過去形 |
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It cost us a million dollars to build the museum. | 博物館を建設するには私達に、100万ドルかかりました。 | ||
話し手の判断の根拠や評価を表す文 | |||
It was careless of me to take the wrong bus. | 間違ったバスに乗るなんて、私は不注意でした。 | 不定詞の部分が「判断の根拠」を表す場合 | |
It is difficult to answer your question. | あなたの質問に答えることはむずかしいです。 | 不定詞の前が「話し手の評価を表す形容詞」 | |
itが形式目的語の場合 | |||
I found it impossble to do the work in a week. | 私は、1週間でその仕事をするのは、不可能であるとわかりました。 | SVOC文のOの部分に形式目的語のitが入った例文 SVOC文の説明はこちら *take O for granted =Oを当然のことと思う |
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They take it for granted that they have a car. | 彼らは、(彼らが)車を持っているということを当然だと思っています。 | ||
itが節の形式主語などの場合 「節」の説明はこちら |
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It seems that he is ill. | 彼は(今)病気であるように見えます。 | it-that文/seemはこちら |
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It appears that she is happy. | 彼女は嬉しそうに見えます。 | it-that文/appearはこちら | |
It is said that there is oil under the North Sea. | 北海の下に石油があると言われています。。 | it is said thatを使った表現はこちら | |
It is certain that he will win the game. | 彼がその試合に勝つであろうことは確かです。 | ×It is easy that I solve the question. | |
It makes no difference to me whether she comes or not. | 彼女が来るか来ないかは、私には違いを作りません。 →彼女が来ようが来まいが、私には関係ない。 |
←itがwhetherから始まる節の形式主語の文 | |