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1)4種類の関係代名詞のまとめ・解説
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関係代名詞の種類/先行詞や使い方まとめ

 それぞれの関係代名詞/例文と解説

 
関係代名詞thatが好まれる場合の条件まとめ

 
先行詞に不定冠詞(a, an)/定冠詞(the)どちらをつける?

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関係代名詞の種類/先行詞や使い方まとめ

以下、4種類の関係代名詞についてまとめた表です。詳しい説明は、「関係代名詞の種類」(マーク)からも飛べますが、最終的に、この表を覚えておくと便利です。

関係代名詞
の種類
 
先行詞 関係代名詞 関係代名詞の
に来る語句
主格 人  who /that 
*省略不可
動詞 V'  

(動物含む)
which /that
*省略不可
目的格 人  whom(文章体)
who(口語体)/that
*省略可能
主語S'+動詞V'

(動物含む)
which /that
*省略可能

所有格
人・物
(区別なし)
whose 
*省略不可
冠詞のない名詞
+動詞 V'
または
冠詞のない名詞+主語S'+動詞 V'

what
先行詞なし what
*省略不可
=the thing(s) which
主語S'+動詞V'
 
または
動詞 V'
  補足1 関係代名詞thatが好まれる場合  
  補足2 先行詞に冠詞 a, an/the どちらをつける?



関係代名詞は、文中の「ある名詞」を別の文で修飾する時に使う文法です。
この修飾される「ある名詞」は
「先行詞」と呼ばれ、その先行詞が人の場合と物の場合で、使われる関係代名詞も違ってきます。

 
関係代名詞には、who, which, that, whom, whoseがあります。疑問詞と混同してしまいそうですが、関係代名詞の前には、必ず先行詞があるので、区別できると思います。特に、間接疑問文との見分けられない人は、「間接疑問文には先行詞がない!」と覚えておくと、区別できると思います。
ただし、高校で習うwhatは、先行詞を含む関係代名詞なので、先行詞はありません。

 関係代名詞に導かれる文
「関係詞節」は、あくまで先行詞の修飾文なので、省略しても、文の構造に全く影響はありません。関係詞節を省略して残った文は、基本5文型に当てはまることを忘れないでください。

   参考:
基本5文型の章




②それぞれの関係代名詞/例文と解説

関係
代名詞

種類 
先行詞 関係
代名詞
  《解説》 
   先行詞= 青字
   関係代名詞=赤字
   関係詞節=下線を引いた部分

関係
代名詞


主格


who

that

*どちらも省略不可

*先行詞が関係詞節
主語(~は)にあたる場合
関係代名詞の主格を使って、先行詞と関係詞節をつなぎます。

《例1》
I have a friend who lives in Hong Kong.
 =私には香港に住んでいる友達がいます。

*次の2つの文がつながったと考えてください。
 1. I have a friend.→SVOの文、主節
  =私は友達を持っています。(どんな?)
 2.
He lives in Hong Kong.SVの文
  =彼は香港に住んでいます。

 1+2にするため、主語のHeを関係詞whoに換え、
  →
a friend who lives in Hong Kong
   =香港に住んでいる友達

関係代名詞主格whoはHeの代わりなので、後に来る動詞はlivesになります。もし先行詞がfriendsになれば、後に来る動詞はliveになります。


which

that

*どちらも省略不可

関係
代名詞

目的格
 

whom
*文章体

who
*口語体

that

*どの関係詞も
省略可能

*先行詞が関係詞節
目的語(~を)にあたる場合
関係代名詞の目的格を使って、先行詞と関係詞節をつなぎます。

《例2》
This is the book which I bought yesterday.
 =これは、私が昨日買った本です。

*次の2つの文がつながったと考えてください。

 1. This is a book.→SVCの文、主節
  =これは本です。(どんな?)
 2. I bought
it yesterday.→SVOの文
  =私は、昨日それを買いました。

 1+2にするため、目的語のitとbook をつなぐために、itを関係詞whichに換えて、bookのすぐ後に持ってきたと考えます。
  →
the book which I bought yesterday
   =私が昨日買った

関係代名詞目的格whichの後は、I boughtとS'V'が来ます。the book=whichとすぐわかるので、
関係代名詞の目的格はしばしば省略されます。
〇This is
the book I bought yesterday.


《例2'》関係詞節自体が主節(主語と考えられる部分)になる場合もあります。これが長文読解などで出てくるとわかりにくいので、しっかり覚えてください。

 The book which I bought yesterday is this one.
 =私が昨日買った本は、これです。

*この文は、The book which I bought yesterday が主語S、isが動詞V、this oneが補語CのSVCの第2文型です。
主節の動詞がこの小さなisと見つけられるかがポイントです。あとは、「動詞(is)の前は全部主語」と考えて、簡単に訳せます。boughtは関係詞節内の動詞V'なので、主節の動詞にはなれません。

which

that

*どちらの関係詞も
省略可能



関係
代名詞


所有格





区別なし

whose


*省略は
不可能

*先行詞の
所有格(~の)
に続く単語が関係詞節の主語になる場合
関係代名詞の所有格を使って、先行詞と関係詞節をつなぎます。

《例3》
He is a boy whose mother is a famous pianist.
 =彼は(その)お母さんが有名なピアニストである少年です。

*次の2つの文がつながったと考えてください。
 1. He is a boy.←SVCの文、主節
  =彼は少年です。

 2.
His mother is a famous pianist.
  ↑所有格+名詞が主語S、SVCの文
  =彼のお母さんは有名なピアニストです。

 1+2にするため、Hisを関係詞whoseに換え、
  →
a boy whose mother is a famous pianist
   =
(その)お母さんが有名なピアニストである少年

関係代名詞の所有格の後は、冠詞のない名詞が来ます。また、
先行詞が物の場合もwhoseを使うので、ご注意下さい。




特別な
関係
代名詞

what

先行詞
なし

what

*省略は
不可能


what
=the thing(s) which

*whatは先行詞thing(s)を含んでいると考えます。つまり、what=the thing(s) whichと考えるとわかりやすいです。

《例4》
What you need is some rest.
 =
The thing which you need is some rest.
  ↑ここのwhichは関係代名詞目的格
 =あなたが必要なものは、いくらかの休憩です。
  →君には休憩が必要だ。(←意訳


《例5》
What are needed are books.
 =
The things which are needed are books.
  ↑ここのwhichは関係代名詞主格
 =必要とされているものは、本です。
  →必要なのは本です。(←意訳)




関係代名詞thatが好まれる場合

関係代名詞の主格と目的格では、that を使うことができます。
 ただし、
先行詞が次の場合、thatが好まれます。

1)先行詞が
人+物の時 (the boy and his dogなど)

2)先行詞に、
the same, the only, all, every, any, noなどが含まれる時

3)先行詞に、
形容詞の最上級(the biggestなど)や序数詞(the firstなど)が含まれる時

4)先行詞が
everything, anything, nothingなどの場合

例:This is
the best film that was ever made.
     ↑先行詞に
形容詞の最上級が含まれている
  =これは今まで作られた最高の映画です


このように説明されると却って面倒と感じる方もいると思います。次のページの基本例文を何度も読んで覚えてしまい、自然にフレーズが出てくるようになると最高です




先行詞に不定冠詞(a, an)/定冠詞(the)どちらをつける?

問題:
 以下の文で、先行詞には、a/theどちらをつけるべきか考えながら、英文を訳してみましょう。


*関係代名詞主格を使った場合

1)I know
a girl who lives in UK.

2)I know
the girl who lives in UK.

3)I know
a tortoise which lives on the island.  (tortoise=トータスゥ=陸ガメ)

4)I know the tortoise which lives on the island.


*関係代名詞目的格を使った場合

5)That is
the dog which I saw in the park yesterday.

6)That is
a dog which I saw in the park yesterday.

7)That is
a picture which he painted.

8)That is the picture which he painted.

9)These are
the pictures which he painted.

10)These are pictures which he painted.



解答:
 
定冠詞theは特定のものを指し、不定冠詞a,anは不特定多数の中の一人や一つを表します。これを前提に訳をしながら説明します。

*関係代名詞主格を使った場合

1)I know a girl who lives in UK.
 
私はイギリスに住んでいる1人の女の子を知っています。 a girl

2)I know the girl who lives in UK.
 私は、イギリスに住んでいるその女の子を知っています。×△
←the girlにすると、イギリスには女の子が1人しかいないような印象を受けます。
I know the girl, who lives in UK. ←継続用法 〇
 私は、その少女を知っています。そしてその人はイギリスに住んでいます。

3)I know a tortoise which lives on the island.
 私はその島に住む1匹の陸ガメを知っています。△
←亀を個体別に認識するのはむずかしいので、この文自体に違和感があります。
単純に「私は亀がその島に住んでいることを知っている」ならば、
I know (that) there lives a tortoise on the island. 〔livesをisにしても可〕
にするとよいでしょう。

4)I know the tortoise which lives on the island.
 
私はその島に住む(その)陸ガメを知っています。 the tortoise
←ガラパゴス諸島のある島に、1匹だけ生き残っていたことで有名な陸ガメを思い浮かべてみてください。特定の亀なのでtheをつけます。


*関係代名詞目的格を使った場合

5)That is the dog which I saw in the park yesterday.
 
あれは、私が昨日公園で見た犬です。 the dog

6)That is a dog which I saw in the park yesterday.
 あれは、私が昨日公園で見た(中の)1匹の犬です。 △
←公園で見た犬は特定されるので、theの方が良いでしょう。a dog にすると、他にも犬がいた印象です。

7)That is a picture which he painted.
 そちらは彼が描いた絵の一枚です。
 a picture〇 
(描いた絵は複数あり、そのどれか一つ)

8)That is
the picture which he painted.
 そちらは彼が描いた絵です。
 the picture〇 
(彼の描いた特定の絵)

9)These are the pictures which he painted.
 これらは彼が描いた絵の全部です。
 the pictures〇 
(theがあると「全部」=all the picturesと同意)

10)These are pictures which he painted.
 これらは彼が描いた絵の一部です。
 pictures〇 
(theがないと「一部」=some picturesと同意)




 考え出すと本当に面倒ですし、抜き出しの文法問題では、間違いかどうか微妙なところもあります。やはり例文を多数読んで、慣れてしまうことが大切です。