2 小学校の英語教育について    戻る

3)こちらのサイトの小学校の英語教育での活用法

  《2021年10月2日改訂
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はじめに

1.英文法の教え方

2. 押さえておきたい英語の基礎

3. 英単語の指導について

4. 授業で使う英会話文

はじめに

 小学校に英語教育が導入され、先生方もさぞ大変と思います。こちらのページは、より良い小学英語教育のヒントになることを願い書いています。

 小学校の先生方の中にも、英語に堪能な先生がいたり、英語がネイティブのALTが常任していたり、優秀な英語専科の先生や中学校の英語の先生の協力も受けられたりと、「小学校の英語教育もかなり充実してきている」と、ある公立小学校の校長先生に伺いました。しかし、今までも、日本人は最低6年は義務教育で英語を学んできましたが、英語を話すことが苦手な人は実際多いです。いきなり、そんな素晴らしい教育環境が公立学校で整うとは、信じがたく、英語教育について再考してみました。まず思い浮かんだのは、
「充実した英語教育とはどういうものなのだろう。」という事です。

 「英語が堪能」と「英語の教え方がうまい」というのは全く別問題
と思います。英語ネイティブのALTは、もちろん英語は堪能ですが、本格的に英語を教えるスキルを学んでいない人も多いと思います。教える技術は人によってかなり違うと感じてきました。また、日本語は欧米言語と文法の基礎が全く違うので、そのことを知っているか知らないかも、教える力量に差が出てしまうとも思いました。

 私は、10年以上、小学生から高校生まで公立・私立問わず、色々な生徒を教えてきました。ボランティア活動などで、20か国以上の人達と、英語でコミュニケーションを取る機会にも恵まれました。幸運にも多くの経験ができたことで、「日本の英語教育の問題点」が見えるようになり、このサイトを作るようになりました。こちらのサイトは、学習指導要領を否定するものではありませんが、少し教え方を工夫いただくだけで、効果的な英語教育ができると思っています。
英語が得意・不得意は関係ありません。これは、教え方の問題なのです。多くの方に、効率的な英語教育をご理解いただきたいと思っています。そして、私が今 一番危惧している、小学校と中学校の英語指導が、うまくつながり、子供達が本当に英語を楽しく使えるようになることを、心から願っています。

  1. 英文法の教え方

     日常で英語を使う機会の少ない日本では、ただ、英会話を楽しんでいても、英語を話す力はつきません。特に、小学校の高学年になってきたら、「英文法」をしっかり学んだ方が、効率的に英語を習得できます。
     「英文法」などと言うと、むずかしく聞こえるかもしれませんが、基本的な英文法は日本語と比べるとずっと単純です。逆にこれがわからないと、英語を理解することがむずかしくなってしまいます。なぜなら、日本語と英語の文法は、根本的に違うからです。

     小学生に英文法を教える際は、是非、こちらの章を参考にしてみてください。
    8章)小学生にもわかる英文法

    基本的に、中学1~2年の英文法をアレンジして書いています。執筆途中ですが、ご要望があれば、対処したいと思いますので、是非、トップページ(HOME)内の掲示板かメールでお知らせください。

     なお、英語は、「1度覚えれば、おしまい」と言うものではありません。何度も何度も反復練習しなければ、すぐに忘れてしまいます。勉強が得意とか苦手とか関係ありません。体育会系の部活のようなものです。「前にやったでしょ!なぜ覚えてないの?」のような叱責は禁物です。海外赴任が長く、英語がペラペラだった人でも、日本に帰ってきてから殆ど英語を話す機会がなかったら、話す能力はかなり落ちます。英語とはそんなものです。英語を話す時の口の動かし方は、日本語とは大きく違います。何度も何度も、声に出して練習することが大事です。

     また、「楽しい授業」にこだわって、「ビンゴゲームやクロスワードパズル」などのゲームや、絵などをつけて凝った「好きなものリスト」や「家族紹介リスト」を生徒に作らせるのに、多くの時間を割く先生がいます。生徒達は楽しそうで、一見素晴らしい授業に見えるかもしれませんが、それは生徒達の英語を話す能力の向上には殆ど役立ちません。中学生になって、英語が全くわからなくなってしまう生徒達を見てきました。特に勉強が苦手な生徒は、急にたくさんの事を覚えることができません。小学英語から、中学生になっても困らない程度に、徐々に理解できるように、気を配っていただきたいです。


     もし、生徒に英文を書かせる授業をするならば、生徒達が繰り返し英語を発声する練習ができるようなものを考えてください。初期の英語学習に必要なのは反復練習:です。それが何より大切です。英語をスラスラ言えるようになると、子供たちもやる気が出ます。自信もつきます。

     参考:英語を話せるようになるための英作文



  2. 押さえておきたい英語の基礎

     簡単な英語は、学び方次第で、誰でもできるようになるはずですが、今の日本では、発音も含め、基本中の基本の英語が理解されていない印象です。英語が苦手な先生はもちろん、得意な先生も、日本人だからこそ知っておきたいことをまとめた以下の章を、お読みいただけるとありがたいです。
     1章)絶対覚えておきたい4箇条!

     学習指導要領にも、「発音の基礎を教える」という項目が入っているうということですが、これは、アルファベットのフォニックス(例えば、Nの発音は、「ン」ではなく「ヌ」に近いなど)を教えることで、かなり成果が得られます。学習指導要領に「フォニックス」という文言がないことで、見逃されていることが多いと指摘する英語専科の指導員もいます。フォニックスは、英会話スクールでは教えているところが多いと思いますが、公立の中学校では、あまりしっかり教えていないところが多い印象です。簡単なので、是非、小学生に教えていただきたいです。生徒の英語の発音の向上に役立つだけでなく、発音の苦手な先生が、自信を深めていただくきっかけになると思います。



  3. 英単語の指導について

     その日に学習する英文の関連用語がわからなければ、会話は進みません。そこで、こちらのサイトでは、色々な用語をカテゴリー別にまとめています。
    6章)カテゴリー別、英語のまとめ
     例えば、「好きな食べ物は何ですか」という質問に、「たこ」と答えたい子供がいたとします。「octopus」など、小中学校で覚える単語にありませんが、本当に好きな食べ物を英語で言えれば、子供の意欲も増すはずです。食べ物用語や魚介類の用語を、読み方も含めてまとめていますので、用語チェックに使えます。


     サイトのトップページ(HOME)に、「サイト内検索」を置いていますので、「食べ物、魚、動物」など、使用する用語を入れて検索いただければと思います。

     また、英単語の複数形の指導で、戸惑う先生もおられると思います。こちらについては、覚えておきたい名詞の単数形と複数形に、sやesを付けた時の発音の法則別にわかりやすくまとめているので、活用いただければ幸いです。

     余談ですが、私は、英語の通訳を行う前には、内容によって関連項目を予習します。健康診断などでは、病気名など、普段使わないので忘れていることも多いからです。これはプロの通訳の方でもやっていることと思います。日本人にとって、英語は繰り返し練習しなくてはすぐ忘れてしまうもの。「カテゴリー別、英語をまとめ」は、英語を話す上で便利と思います。



  4. 授業で使う英会話文

     先生方の中には、自費で英会話教室に通う方もいらっしゃると聞きます。お忙がしい中、本当に頭が下がります。ただ、日常会話で使う言葉と、学校で使う言葉は、違う部分も多いと思います。各学校で頻繁に使う簡単な言葉を集め、英語に翻訳し、先生・生徒間で共有できれば、英語で英語を学習する授業に結び付くはずです。

     耳にタコができるくらい、何度も何度も聞かされた英語というのは、忘れないもので、先生にとってだけでなく、生徒にとっても有意義です。反復学習が必要な英語授業のレベル向上に、役立てていただきたいと思います。

    中学・高校の授業で使われる、英語での指示文 (第6章内)

    ↑こちらは、中学高校生向けに書き始めたページですが、小学校で使えそうな簡単な指示文もまとめました。指示文は、一度まとめてしまえば、繰り返し使えます。是非活用してみてください。

    「こんな言い回しを翻訳して欲しい」というご要望があれば、是非ご連絡ください。随時追加し、誰でも見れらるようにしておけば、多くの人の役に立つと思います。


 英語学習は、初めが肝心です。小学校での英語教育の成果は、将来、日本人が英語を話せるようになるかどうかに、大きくかかわってくると思います。小学校の先生方は、本当にお忙しいと思いますが、是非、子供たちのために、効率的な英語の学習方法を、ご指導いただきたいと思います。