8章)小学生にもわかる英文法 戻る

初めに(保護者の方、先生方へ)
   2020年(平成2年)4月1日改訂

 「幼稚園から英会話をやっていたのに、結局、英語を話せるようにならなかった!」そんな話を聞いたことはありませんか?英会話教室出身の生徒は、発音が上手だったり、簡単な英会話はできる子も多いのになぜでしょう。

 私が塾で英語を教えていて感じたのは、英会話教室の多くが、「英文法をわかりやすく教えていない」ということです。中学校に入ってから、英語の授業と、今まで習った英会話とを、うまく関連づけられず、英語が苦手になってしまう生徒を多く見てきました。特に、中学2年生で不定詞を学ぶあたりから、英文法がわからない生徒は英語力が伸びなくなってしまいます。アメリカンスクールのように、「日常会話も英語」のような環境ならば、英文法を重視する必要はないのでしょうが、今の日本でそのような環境を期待するのは、かなり難しいと思います。

 英語を使う機会の少ない日本では、楽しんでいるだけでは、英語を話す力はなかなかつきません。小学校の高学年になってきたら、「英文法」もわかっていた方が、効率的に英語が学べ、後の学習に役立つと、色々な生徒を教えてきて実感しています。

参考:小学5,6年生は簡単な英文法を覚えると良い時期


 「英文法」などと言うと、むずかしく聞こえるかもしれませんが、ほんの少し、日本語と英語の違いを考える意識を持つようにすればよいだけです。こちらの章で紹介する、英語の基礎がわかると、中学生になっても、混乱することなく英語を学べるようになります。

 なお、新しい小学校の英語向け教材「We Can!」については、私としては問題山積と感じています。これについては、以下に書いておりますので、ご興味があればご一読いただけると幸いです。ご意見などありましたら、掲示板の方にお願いします。

参考:小学校の新教材We Can!について




余談ですが〜!!
 私が塾で担当した生徒の中に、小学5年生から大学受験まで教えた生徒がいます。その生徒は、中学2年生の1学期で英検準2級を取得(2013年7月)しました。彼女は、私が教える2年前の1年間、英会話教室に通った経験があり、英語の発音はそこそこ上手でしたが、しゃべれるレベルではありませんでした。

 私は週に1度、小学5年の1年間はbe動詞だけ、6年になってから初めて一般動詞の現在形を教えました。綴りを書く練習はそれほどしませんでしたが、基本例文を何度も何度も音読するように授業を進めました。

 そんなスローペースでしたが、中学1年生の終わりには、中学で習う文法の8割を教えることができました。
基礎中の基礎を、繰り返し時間をかけて教えることが出来れば、後々習う文法の習得がきわめて容易になることを痛感しました。

 今(2020年4月)彼女は、国立の東京外語大学に通っています。英語力は、高校受験や大学受験に大きなメリットがあったと思います。英語で苦労する時間を他の勉強に費やせ、進路の選択肢も増えるからです。彼女も一時は医学部を目指していました。逆に、英語に苦労すると、せっかく理数系などの才能が高いのに、受験で失敗するケースも多いです。実は私もそんな苦い経験を持つ人間の1人です。(詳しくは「初めに」書いています。)



 たかが英語、されど英語。
日本人が、毎日の生活で英語を使わないような環境下で英語を学び始める時、基本的な英文法をわかっているかどうかで、その後の英語学習に大きな差が出るというのが、長年、公立私立問わず、偏差値が高い学校、低い学校、色々な生徒を教えた経験から実感していることです。




参考:塾や予備校の選び方
   …小学校から高校までの、学校以外の英語学習機関を紹介し、
   それぞれの長所と短所をまとめましたので、参考になるかもしれません。