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 日本語↔英語の通訳の基本と訓練方法
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 初めに…
 1.日本語↔英語の通訳の基本

  ①聞き取る
  ②理解する
  ③記憶する
  ④訳す


 
2.通訳の役割と大変な点

 3.通訳の訓練方法

 
4.

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こちらの通訳の説明は、英語ネイティブと同等の実力を持つ、バイリンガルの方を対象としたものではありません。あくまで、第2外国語として英語を学んできた人向けに書いています。通訳未経験の方には参考になる部分もあると思いますので、そのつもりでお読みいただけたら幸いです。
*初めに
 「通訳」と聞いて、どのような印象を持たれますか?「英語が堪能なら通訳になれる」と思われている人もいるかもしれませんが、実際はそれほど生易しいものではありません。自分で好き勝手に英語を話すのと、自分ではない人が発している言葉を英語にするのとでは、大きく異なります。逆に、聞いた英語を日本語に訳すのはどうか。英語ネイティブでない日本人にとっては、こちらの方が簡単に思えますが、話し手が癖のある英語を話すこともしばしばで、こちらもむずかしい部分があります。

 
 2019年11月、ちば国際コンベンションビューロー・千葉県国際交流センター主催の「通訳ボランティア養成講座」を受講しました。この中で、プロで中国語の会議通訳者・放送通訳者として現役で活動されている講師の方の講習がありました。プロの方のお話を聞けて、とても有意義な時間となりました。

 私自身は、プロの通訳の経験はありませんが、長くボランティアとして、ボーイスカウトの国際交流支援活動や、在住市の姉妹都市のあるニュージーランドからの交換留学生の支援などにかかわり、20か国以上の国の人々と、英語で交流を重ねたり、ボランティア通訳をしてきました。

 この講習を通じ、私がボランティア通訳で心がけてきたことの多くが、プロの通訳の方の話と重なり、間違っていなかったと確認できましたので、こちらにノウハウをまとめておこうと考えました。通訳を目指されている方、また、通訳に興味のある方の参考になれば幸いです。


1. 日本語↔英語の通訳の基本
《通訳のプロセス》
聞き取る→②理解する→③記憶する→④訳す
聞き取る

《英語→日本語に訳す時の聞き取り》

 英語がネイティブ出ないと、場合によっては、英語を聞き取るのが大変な時があります。話し手は、アナウンサーのように、聞き取りやすい英語を話してくれるとは限らないからです。
早口の人、声が小さい人、なまりの強い人…「もう一度言ってください」というのは、状況によってはむずかしいですし…。間違った通訳もできないので、「聞き返す」勇気を持つことも、場合によっては必要と思います。また、聞き返せない場合は、前後の文脈から想像する能力も必要になってくるようです。

 さらに、
英語を話す人が英語ネイティブとは限りません。中国人の少しこもったように聞こえる発音とか、インド人のアクセントの強い話し方。初めて聞いた時は戸惑いました。英語ネイティブでも、オセアニア圏だと、"today"を「トゥダイ」、人種問題を"racial problem"が「イシャる プロブれム」と発音する人も居て、初めて聞いた時には全くわかりませんでした。ただ、ネイティブの人はどのような英語でも、普通に理解していることも多いです。

 色々な国の人の英語に触れ、聞き取る力を養うことが大切
と思いました。可能であれば事前に、「話し手のバックグランドや癖を前もって把握しておく」ことが役立ちます。話し手の発音や話し方に文句は言えません。聞き取れない場合は、自分の英語力が足りないと謙虚に考え、努力していかなければならない仕事です。


理解する

 企業の専属通訳でもない限り、通訳の内容は多岐に渡るのが普通です。ボランティア通訳であっても同様です。依頼の内容によっては、相当、
事前準備に勉強することが必要になります。事前勉強なしで臨むと、ひどく適当な通訳になってしまうこともあります。これが通訳の本当に怖いところです。

 特に準備が大変だった
ボランティア通訳の例を2つ挙げます。

 
 
1つ目は、2018年に行った酒造りの過程を紹介するものでした。事前に資料を頂いたのですが、書かれていたのが「浸漬」「製麹」「上槽 /搾り」等々…説明以前に、漢字の読み方さえわからず、かなりの時間をかけて予習することになりました。予習した内容や当日の様子は、以下に詳しくまとめているので、ご興味があればご覧ください。

 事前準備: 日本酒について(酒造りの過程や種類など)

 ブログ:千葉県酒々井の蔵元で語学ボランティア

 この時は、職人さんが酒造りについて日本語で説明し、お客さんである、某学会の参加者が聞くというものでしたが、参加者は英語ネイティブでない人も含む色々な国の人で、日本酒に詳しい人、詳しくない人様々。本当に苦労しました。ただ、事前勉強の成果か、「この蔵元の従業員ですか?」と何度も聞かれ、そう見えたなら、うまく通訳できていたのかと、ちょっと嬉しかったです。ただ、これだけの準備をしたら、プロだったらそれなりの報酬を頂かないと、全く割に合わない仕事であるとも思いました。むずかしいところです。

  
 
2つ目は、2012年に行った「ブータンの人が、ブータンの宗教や暮らしを紹介する」という、市の民間団体主催の会でのボランティア通訳です。市民50人くらいの前での通訳でしたが、とても緊張したのを覚えています。 ブータン人は3人、通訳は2つのパートに分かれていました。

 前半は僧侶志望の学生さんの通訳です。英語原稿をあらかじめ渡されていたのですが、これが大変でした。仏教の深い教えについて語っていた、むずかしい大学の
論文のようなもので、翻訳するだけでも四苦八苦です。これをそのまま日本語に訳しても、意味が伝わるかどうか…。結局、本番ではブータン人の学生さんは、原稿をそっくりそのまま読み上げていました。当日彼の通訳を別の人が担当することに急遽なり、私の出番はなかったのですが、その方は話し手の実際の言葉とはかなり違う内容も加えて、説明していました。「通訳」としてはどうなのかと思いましたが、聴衆となる日本人にとってはわかりやすい内容になったと思い、「そういうやり方もあるのか」と感心しました。長時間、原稿と格闘したのが無駄になってしまいましたが…。
今回通訳は私を含め2人でしたが、ボランティア通訳でも、打ち合わせはしっかりしておくべきだと、痛感しました。ただ、プロではないので、突然「欠席」となることもあるようなので、時間がかかっても一応準備は必要なのかもしれません。

 後半は、ブータンについての紹介パートでした。画像を切り替えながら、ブータンの人が説明していくといくものでしたが、日本語も少しわかる人達で、割と楽に通訳できました。ただ、途中で日本人の参加者から、ブータンの領土がについての質問が出て、面積の細かい数字を何度も通訳しなくてはならず、数字のやり取りに四苦八苦してしまいました。桁の多い数字には、慣れが必要ですが、久しぶりの数字で大変でした。後で調べてわかったのですが、中国との領土問題も存在するようで、そのことを質問したかったようですが、ブータンの方も一般人なので、そこまで詳しくなかったようで、「自分が司会者だったら止めに入るのに…」と思いながら通訳していましたが…。前半の論文の翻訳に時間がかかり過ぎて、ブータンについての下調べが不足していました。
思いがけない質問も出るので、できる限りの準備は必要と痛感しました。

 とにかく、
満足のいく通訳に必要な、「理解する」ためには、事前準備にいかにしっかりやるかが大切と思います。


記憶する


 記憶と言っても怪しいので、メモを取りますが、メモの取り方が大事です。特に気を付けておくべきは「数字」と「固有名詞」かと想います。これを間違えてしまうと、大変なことになってしまいます。

 全国通訳案内士の試験の二次試験では、試験官が読んだ文章を通訳するのですが、一度だけ聞いて記憶し通訳をしなくてはなりません。記憶力は人それぞれと思いますが、私などは、数字などが多様されるとパニックになります。実際の試験では、当時、自分が知らなかった地名と花卉類の輸出量などの数字がいきなり出てきて、それを通訳しなければならずパニックになりました。(詳しくは、かなりお恥ずかしい話ですが、上のリンクから入れるページに「二次試験の様子」を書いていますのでどうぞ。駄目な例を見ると自信がつくかもしれません

 やはり、
「数字」や「固有名詞」は正確に、内容については効率的にメモを取ることが大切です。


訳す

 こちらのサイトでは、英語を日本語に訳す時、スラッシュリーディングというやり方を推奨していますが、
日本語を英語に直す時も、スラッシュリーディングの手法が役立つということを、プロの講師の方から教わりました。
《日本語を英語に訳すのがむずかしい理由》
 *主語が省略されることが多い。
 *動詞または結論が文の最後に来る。
 *長い修飾語が付くことが多い。
 *文がなかなか終わらない

 例えば、1センテンスが100文字以上なのに、最後が「~と思います。」で終わる文を英語にしなくてはならない場合、同時通訳だったら大変です。この場合、最後に、"This is my opinion."とか"This is my suggestion."のように付け加えると、逐語訳が可能になります。
 通訳は、翻訳と違って、じっくり考えて英文を練るわけにはいきません。英語に訳しにくい日本語を、訳しやすくするために、文を短く区切ることが有効とのことでした。

 また、「日本語特有の言い回し」は場合によっては、全く訳さないということもあります。
例えば、日本語でよく使う言い回し…
「ただいま、ホワイト氏からご紹介にあずかりました鈴木イチローと申します。」
これを、
”I was introduced by Mr. White just now. My name is Suzuki Ichiro."
のように、訳したとします。文法的には間違っていませんが、こんな風に話し出す英語ネイティブはまずいません。
"Thank you Mr. White. I am Suzuki Ichiro."
このくらいの英訳が自然です。この辺りが、通訳のむずかしいところです。






2. 通訳の役割と大変な点

①話し手が間違ったことを言った時:
 
 プロの通訳は、基本、間違った内容でも、そのまま通訳して伝えます。
ただし、後々大きな問題が起こることもあるので、会議後などに関係者に伝えるようにします。(伝える機会がないこともあります。)


②話し手の言葉が聞き取りにくい時:

 上の「聞き取る」の所でも書きましたが、通訳する対象の人が英語ネイティブとは限りません。話し手の癖が強かったり、聞き取りにくかったり、話自体がスムーズでない場合もあります。プロの通訳の人の話では、「100%完璧に通訳できる人はほぼいない」とのことでした。常に100%の通訳を目指しながらも90%になってしまうこともあるそうです。可能ならば、
「話し手のバックグランドや癖を前もって把握しておく」ということが大事なようです。



3. 通訳の訓練方法

 正確で迅速な通訳を行うためには、前もって訓練することは欠かせません。

声を出してのトレーニング:
こちらのサイトでも散々言ってきたことですが、実際に声に出して練習しなくては、いざという時に口は回りません。英語と日本語の口の動かし方は全然違います。全く、口を動かす練習をしないで通訳しようとしても、明確な発音が出来ないと思います。

聞き取る力のトレーニング:
①Reproduction: 話し手が1センテンスを話し終わった後に、話し手と同言語で、1言1句、同じように再生する訓練。
②実践的な訓練。これは、《英語→英語》だけでなく、《日本語→日本語》でも行います。数字や単位、固有名詞などは、
メモを取りながら行わないと、日本語でもわからなくなってしまうと思います。
英語は、英語ネイティブでない人も含め、国や地域にもよって、聞き取りにくい場合があると思います。
苦手な英語に慣れる訓練も必要でしょう。こちらのサイトのリンクの中の、YouTubeのTEDなどは、色々な人のスピーチが聞けるので練習になると思います。

聞き手の言語で通訳する練習:
《英語→日本語》《日本語→英語》
印刷された文章を目で読みながら、順送りに訳していく訓練。

Quick Response:
短い語句を聞いた後、
瞬時に目的言語に訳す訓練。
知らない単語に出会うことも多いので、わからなかったら覚えて再チャレンジするということを繰り返すしかありません。