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私の通訳案内士試験の体験談と受験対策
    《2017年4月/ 2017年11月/ 2021年11月改訂》

私が通訳案内士に合格したのは、平成28年(2016)度です。お金と時間があれば、通訳案内士関連の予備校に行ったり、セミナーなどを受けたかったのですが、そういうわけにもいかず、2年かけて、何とか合格できました。かなり劣等生の話ですが、通訳案内士試験合格を目指されている方の参考になるかも(なるかな?)という思いで、私の行った受験対策と受験の様子を書いていきます。
☆ページ内リンク☆
1. 私の実際の受験履歴

2. 一次試験・筆記試験の対策

 ①日本の歴史と日本の地理について

 ②一般常識の試験について

 ③英語の筆記試験について *私の二度目の挑戦の裏話

3. 二次試験・面接の対策
 ①面接試験の全体的な注意点と対策

 ②
実際の試験の様子&私の場合
 
  会場の様子 通訳パート プレゼンテーション 質疑応答 最後に

☆関連ページへのリンク☆
JNTO全国通訳案内士試験概要 (公式)
↑こちらから、筆記試験の過去問のページへ飛べます。

1. 私の実際の受験履歴

 私が初めて通訳案内士試験に挑戦したのは、平成27年(2015)度です。日本の歴史、日本の地理、一般常識は合格したのですが、なんと英語の一次試験が不合格で落ちました。英語の学習サイトを運営している者として、「なぜ英語で~~!?」と、ただただ、恥ずかしい限りでした。

 平成28年(2016)度、前年の一次試験の結果は、2年間有効なので、一次試験は英語の筆記だけの受験となり、少し有利だったと思います。ただし、試験では凡ミスを連発し、合格点に達していないと思い込み、約3か月後の二次試験対策が遅れました。一次試験も二次試験もドタバタで、こんなんでよく合格に至ったな~というのが正直な感想です。これから受験する皆さまが、こんなことにならないように、私の情報が少しでも役立てばと思います。



2. 一次試験・筆記試験の対策

①日本の歴史と日本の地理のについて 
  …両科目とも正答率70%以上が合格の目安

 私は、学生時代は理系科目が得意だったため、日本地理などは、大の苦手でした。日本史も、戦国時代など、時代劇に出てくるような話には、興味があったのですが、年代を覚えたり、文化の名前を覚えたりは特に苦手でした。そんな私が英語以外の教科に一発合格したのは、奇跡としか思えないのですが、歴史・地理の苦手な方への参考になればと思い、実践した対策を書きます。

 
歴史も地理も、まずJUTOのサイトで過去問をやってみて、どのような問題が出ているか、傾向を確認しました。どちらも、写真を使った問題が多いので、高校で使うようなビジュアル・バージョンの日本史の教材を1冊(地図・年表・各時代の代表的な絵画や建造物などが載っているもの)が家に残っていたので、その1冊を使うことにしました。文章だけの教材では、やる気も起きないので…。また、学校の勉強では、歴史は歴史、地理は地理と、境界線が明確でしたが、図解のある資料だと、ある程度、歴史と地理を同時に勉強できて効率的と思いました。例えば、歴史的建造物がどこにあったのか、水運が重要な交通手段だった時代、どの川沿いに町は発展したのかなど見ていくと、ただ暗記するだけでなく、興味深く学ぶことができます。

 実際の試験では、やはり写真や絵画を示しての問題が多かったため、
写真や図解が多く載っている教材はかなり役立つと思いました。


日本の歴史の勉強:

 初めは、JUTOの過去問で出てきた寺院や出来事についての説明を読んだり、年代や時代背景を確認していきました。そうやっていくと、
日本の文化や外国と日本の歴史的なかかわり(特に江戸時代以降)についての出題が多いなど、なんとなく出題傾向がつかめてきます。

 出題傾向がつかめてきた後は、古墳時代・飛鳥文化・白鳳文化と、時代の流れに沿って、写真や年表で確認しながら、学習していきました。私は覚えが悪いので、
覚えられないところはメモ帳に書き込み、何度も読み返して覚えるようにしました。例えば、「710、平城京、北・玄武、南・朱雀、西・白虎、東・青龍」などです。(方角の守護神は当時重要だったようで覚えることにしたのですが、実際試験でも出て、驚き?でした。)スマホのメモ帳機能を使っても良いのかもしれませんね。私は紙のメモ帳派ですが


日本の地理の勉強:

 やはりJUTOの過去問を参考に勉強しました。山・川・都市名などの知識も乏しかったので、
歴史の勉強と合わせながら地図帳で場所を確認するなどの作業も役立ったと思います。知らない地名が出てきたら、地図帳やGoogle Mapなどで、たどっていく習慣をつけておくと良いかもしれません。その際、距離を頭に入れておくと、さらに良いと思います。

 国内の世界遺産や国立公園、観光地、歴史的建造物、日本の祭りなど、大学受験の地理の問題とは異なる問題も多いです。普段からこれらに興味を持ち、実際に行くのは無理でも、ネットなどを使って調べてみると、写真付きで確認できるサイトも多いので、楽しみながら勉強できると思います。そのためには、やはり、早くから勉強に取り掛かることが重要と感じました。


 いろいろ勉強していくと、学生時代とは異なり、日本についての色々な発見があり、国内を旅してみたくなりました。例えば、日本の現存天守12のうち、国宝となっているものは現在5つ。松本城と姫路城には行ったことがあったのですが、残りの犬山城・彦根城・松江城には、勉強し始めてから行ってしまいました。どれもそれぞれ個性があり、本当に行ってよかったと感じました。通訳案内士の勉強は、改めて、自分の物の見方を豊かにしてくれたと感じます。…完全に余談(汗) 

《実際の受験時》 実際の問題は、私にはすごくむずかしかったのですが、記憶が「完璧」でなくても、持っている知識を結びつけ、消去法式で絞っていくと、何となく正解が導き出せる問題も結構ありました。問題を解く時は、むずかしいと思っても焦らずに、勉強してきた自分を信じて、解いてみてください。



②一般常識の試験について
  …正答率60%以上が合格の目安

 一般常識については、
普段から新聞など読んでいるだけで、5割程度の問題は解けるような気がしました。国別外国人の来日者数の問題は、毎年出題されているようなので、ここに関しては、しっかりと調べておく必要があります。国土交通省の観光白書は、出題率が高いということなので、「このページの受験年に近い年の概要を読んでおくと、かなり役立つ」という情報を、受験日間際にネットで見つけました。 しかし、私は地理と歴史の勉強が大変で(まともに詰め込み勉強したのは一か月ほど)、一般常識は、過去問の見直し程度しかできませんでした。 早めに勉強を始め、重要なポイントは、もう少し早めに絞っておけば良かったと、反省しました。

《実際の受験時》 国別外国人の来日者数を覚えたと思っていたのに、直前で、中国・台湾・韓国の順番に自信が持てなくなり、焦りました。(2013年度と2014年度では異なっていたので…) 記憶と言うのは、やはり曖昧。
間違いやすいものは、直前まで確認できるように、メモの準備が必要だったと痛感しました。(当日会場に、そのメモを持って行くのを忘れたという大失態) 実際ガイドの仕事をする場合も、やはり同様なのかと思います。



③英語の筆記試験について
  …正答率70%以上が合格の目安

 英語の学習サイトを運営している者として、英語の筆記試験で落ちてしまうとは、恥ずかしくて誰にも言えない…まあ、ここでもまた言ってしまいました しかし、ここでわかったのは、通訳案内士試験の英語の筆記に合格するためには、英語力があるだけではダメということです。逆に、
本当に英語力のある人は、英検1級やTOEIC840点以上など、一次試験が免除になる資格をあらかじめ取っておいた方が良いと思いました。

 実は、私が最初に受験した平成27年度は、前年から試験方式が大幅に変更され、記述式からマークシートになりました。大学入試の問題などと比べ、英文は平易で簡単そうに見えます。しかし、
かなりの引っ掛け問題になっていて、記述式で自分で英文を書けていたら、どんなに受かりやすかったかと、正直思ってしまうほどでした。クイズ形式の問題が好きか嫌いか、人によってだいぶ違ってくるとは思いますが…

 合格するためには、
日本の観光地、固有の文化や伝統的な品物などについての正確な知識を持ち、それをしっかり説明できる英語力が必要です。例えば、「蹲踞つくばい」「歌舞伎者かぶきもの」について、英語で正しく説明しているのはどれかを問う問題が出ます。引っ掛けのような表現もあり、しっかり勉強していないと、ミスしてしまうと思いました。
 
 写真や言葉について、最も適した説明の仕方を選択する問題で、松江市の地図と湖の写真(宍道湖とは書いていない)がありました。「日本で7番目の大きさの湖で、シジミで有名」ということを知らないと、解くのがむずかしかったです。間違った選択肢の中に、"a salt lake"という言葉の入ったものがあり、実際、宍道湖は汽水湖(brackish lake)で有名なので、塩水湖の一種?と迷ったり、ただ、ウナギの養殖が主要産業と書いてあって、「最近そうなった?そんなわけないか?」など、迷い出すときりがなく…。
 
説明文は、ほんの少し違う場所や物についてを説明した文章をそのまま選択肢にしているものもあり、よくわかっていないと選ぶ時にかなり迷います。(私の場合はですが…) TOEICやTOEFLの試験で出てくる英語とも違います。

 また、日本語の文を英訳する問題でも、選択肢の文章に「ありそうな英文」が並んでいます。現在形であるべきところを過去形にしているような、ちょっとした文法ミスを入れて引っ掛け問題になっているものもあるで、注意が必要です。公開されている過去問で、練習しておくことがおすすめです。

《実際の受験時》 気を付けた方が良いと思うことは
、各問題に記載されている配点をまず確認し配点の大きな問題を重視して、確実に点数を取っていくということです。配点の少ない問題でも、解くのに時間がかかるものもあります。私の一度目の挑戦では、そこに時間をかけ過ぎて失敗しました。


 英語力に相当自信がある人も、合格基準の7割を取るためには、あらかじめ、それなりの勉強が必要でしょう。こちらのサイト観光についてでも紹介していますので、参考にしてください。やはり、外国人に、日本の伝統的文化や名所などを紹介することに興味がある人が有利
で、逆にそういうものに興味がない人が、英語力だけで合格しようとするのはかなり大変と感じました。


平成28年(2016)度・私の二度目の挑戦の裏話

ものすごくバカな話なので、お暇な方以外、赤字の部分だけご覧ください。

 一次試験の結果は、2年間有効なので、2年目は英語だけを勉強でき、かなり有利な条件でした。しかし、直前は、リオデジャネイロオリンピック中だったり、大好きなSMAP解散報道があったりで、勉強に集中できない日々が続き、「やっぱり自分はダメ人間だな~」と思いながらの受験でした。

 実は、試験を終えた後、凡ミスが多くあり、さらに、
試験会場の外で配られていた広告「ESDIC英語能力開発アカデミー」のHPに、解答速報がアップされるのを知り、答え合わせをしたところ、自分の点数は66点で不合格の水準ということがわかりました。相当落ち込みました。ところが、なぜか一次試験は合格。後でわかったことですが、その合格速報の解答は2カ所の間違えがあったのです。
 実際の得点は、たぶん71点(それでもギリギリ…)。私は、落ちてしまったと思っていたので、10月にネットで試験の合否を確認できるにもかかわらず確認しませんでした。11月に封書の通知が来たのですが、開けるのが怖くて、三日ほど寝かしたという… そして、合格したのがわかったのは、2次試験の3週間前でした。喜びも束の間、2次試験の対策をする期間がほとんどなく、かなり焦りました。
 合格ギリギリの点数しか取れなかった自分が一番悪いのですが、
「合格速報は誤りがあることもある」ということも、頭に入れておくべきと思いました。




3. 二次試験・面接の対策

 2次試験は、受験者1名に対し、ネイティブの外国人試験官1名と日本人の試験官1名の、1対2の形式で行われます。

 試験は、日本人の試験官が読み上げた日本語を英語に直す「通訳パート」と、3つのお題から1つを選び、その言葉について説明などをする「プレゼンテーション」、さらに、ネイティブとの「質疑応答」の3部門に分かれています。簡単な挨拶から始まって、すべての試験が終了するまでに、15分くらいです。

 私の場合は、雰囲気の飲まれて、かなり緊張しました。2016年12月4日、東京の品川で、私が実際に受けた二次試験の様子とともに、役に立つと思われる試験対策を紹介したいと思います。


①全体的な注意点と面接試験の対策


*通訳パート


①唐突に、初めて聞く情報を通訳しなくてはなりません。メモを取ることは可能ですが、すべての言葉をメモするのは厳しいです。地名、年代、数字など、間違えてはまずいキーワードだけをメモすると、良いと思います。

②日本語の読み上げが終わってから通訳開始前に、30秒ほど時間があるので、まず、全体の構成を考えてから、通訳を始めましょう。一語一句、間違えなく通訳する必要はありません。ポイントを押さえておくことが大切です。

③日本語表現がむずかしめの事もありますが、英語に直す時は、できるだけシンプルな言葉を使い、コンパクトな表現を心掛けたほうが、伝わりやすいです。

試験対策:1文ずつの逐語訳ではないので、英語に自信があっても、慣れていないと、うまくまとめられません。観光関連の文を誰かに読んでもらって通訳するか、テレビやネットの観光関連番組を録画しておき、使えそうな部分を通訳するなど、あらかじめ練習をしておくと良いと思います。その際、試験を想定し、メモの取り方を練習することもお忘れなく!


*プレゼンテーション

①3つのお題から、1つを選んで、プレゼンテーションを始めるまで、30秒くらいしか時間がありません。プレゼンテーション後の質疑応答も、プレゼンテーションをした言葉に関連をあることも聞かれるので、自分がなるべく多くの事を話せるお題を選ぶと良いと思います。

②プレゼンテーションの時間は2分程です。長いようで短いです。言葉を選んだら まず、その言葉の何について話すか、3つほどの展開を考えておくと良いでしょう。もし、試験で出されたお題を説明する自信がない場合は、慌てずに、説明できる部分を膨らませるような方向で、3つほど展開を考えて、プレゼンを始めましょう。

③試験対策:今まで出されたお題は、ネットで検索すると出てくると思いますが、多岐に渡ります。「風鈴」「冬至」「浮世絵」「忍者」…漠然とはわかりますが、2分程度で説明しろと言われても、相手にわかりやすく伝えるというのは、意外とむずかしいです。知り合いのカナダ人の話では、彼らは学生時代から、プレゼンには慣れ親しんでいるようで、練習の仕方を教わりました。以下、参考にしてみてください。

プレゼンテーションの練習方法

①ブレイン・ストーミングのような要領で、選んだお題に関して思いつく、あらゆることを書き出してみる。

②書き出した中から、3つの事柄を選ぶ。

③選んだ事柄について、手短な説明や展開を考える。

④最後に、そのお題について、話をまとめる一文を考える。

⑤慣れてきたら、色々な題について、瞬時に、②~④の作業ができるように、そして、プレゼンが2分以内で完結するように練習する。


《例》お題「冬至」…好例ではないかもしれませんが、参考としてご覧ください。

①夜が一番長い日、柚子湯、カピバラ柚子湯、カボチャ、小豆粥、伝統的風習、風邪をひきにくくする、一陽来復、若者は気にしない、スーパーで冬至フェア

②1.夜が一番長い日 2.伝統的風習 3.若者は気にしない

③1.冬至は、1年のうちに夜が一番短い日で、12月22日ごろです。
2.この日は、地方によっても違いますが、色々な伝統的風習がありまう。例えば、身体を温める効果があるとされている柚子湯に入ったり、栄養豊富なカボチャを食べたりです。こうすることで、風邪などひかず、寒い冬を乗り切れると考えられてきました。
3.最近は、あまりこのような風習を気にしない、または知らない若者も増えているように思われれます。残念です。

④冬至の伝統的な風習は趣があるので、後世にも残していけたら良いと思います。


*質疑応答と全体的な注意点


①活舌などに自信がない時は、ゆっくりと、はっきり話すことを心掛けましょう。早口で流暢な英語でなくても、相手に伝われば良いのです。

②簡単で正しい文法を使い、短い文章をつなげていく方が伝わりやすいです。

③通訳ガイドの仕事は、あくまでサービス業なので、アイコンタクトと笑顔を忘れず、丁寧な説明を心掛けるようにしましょう。身振りや手振りも有効です。

④外国人目線に立ち、外国人にもわかりやすいように、話を進めるように心掛けましょう。自分が話したいことだけを自分本位に話すのではなく、相手を思いやる気持ちを持って、コミュニケーションを取れると良いと思います。



②実際の試験の様子&私の場合

  《2016年12月4日、東京・品川会場》

*会場の様子:
完全に雰囲気に飲まれた話です。お時間のある方だけお読みください

 受付を済ませると、大きな部屋で、番号順に待機させられます。100人以上の受験生が、折りたたみ椅子に座って待ちます。受験者の中には、着物を着ている男性や、英語が得意そうなOL風の人もいて、少しだけ緊張します。この時はまだ、トイレに行けるような時間もあり、試験手順を書いた説明書を見ながら気持ちを落ち着けていましたが、この後に、前代未聞(?)の事態が待っていました

 開始時間が迫ると、携帯電話の電源を切り、隣の人との私語を慎むように指示が出されます。会場は、御経のないお通夜の席のように、し~~んとなりました。

 暫くすると、20人ずつ番号が呼ばれ、番号順に2列に並ぶように指示されます。番号を呼ばれない人は、まだ大きな会場に待機です。緊張が高まってきます。

 いよいよ自分の番号が呼ばれ、試験…と思っていると、今度は2番目の、やや小さめの部屋で、20人がまとめて待機。ここでも、もちろん携帯を使えませんし、私語も厳禁です。溜息が出そうになります。

 しばらくすると、また呼び出しがかかり、番号順に整列、案内係の人について歩いていきます。長い廊下を何度か曲がると、扉の前に、2~3脚の椅子が置かれた個室が並ぶ空間に到着。ここでも、番号順に呼ばれ、1人ずつ、別々の個室の前の椅子で待機するように指示されます。まるで、取り調べを待つ犯罪者の気分になってきます。こっこわい〰

 中からは流ちょうな英語が漏れ聞こえ、「すごい…」と思っていると、"I don't mean that! What are you talking about?"みたいな、男性(多分試験官)の、ちょっとあきれたような声が聞こえてきて…。「あんなに流ちょうな英語でも、こんな風に言われるの???」と、もう、ホラー映画を見る前の気分になります…(怖)

 前の人の試験が終わったようで、とうとう自分が呼ばれました。
ドキドキしながら中に入ると、ガタイの大きな、でも、ニコニコして愛想の好さそうな、アメリカ人(風?)の男性と、落ち着いた雰囲気の日本人女性が居ました。あ~緊張する~~

 簡単に英語で、挨拶、出身地などの質問に答えると、「日本人の女性が日本語で読む文章を英語に直す通訳」から、試験が始まります。(通訳パートの内容については以下に

 必死で通訳をするも、時間切れで訳しきれない部分があった…などと落ち込んでいる暇もなく、今度は3枚のカードを渡され、1枚を選んで、そのテーマについて英語で説明する試験です。選ぶ時間も含め、30秒ほどしかないので、さっさと選ぶ方が良いのですが、ここでも、迷いに迷う、おバカな自分…(プレゼンテーションの詳細は以下に

 プレゼンの後に、選んだカードに関連し、外国人の試験官から英語で質問されたり、より深い説明を求められたりしました。(質疑応答の詳細は以下に

 外国人の試験官が真剣に聞いてくれるので(試験だから当たり前?)、「もう少し、詳しい説明すべきか(?)」などと考えていたところで、「試験終了」が日本人の試験官から告げられました。挨拶を済ませ、「もう、終わり~?なんて自分は不甲斐ないのだ~」などと考えながら部屋を出ると、他の方は既に面接を終え、廊下に並んだ椅子で待機されていました。すぐに番号順に並ぶように促され、また、一列に並んで大きな会場に移動します。今度は、最初に居た100人以上の受験生の面接が終わり、全員戻ってくるまで待機です。ここでも、携帯使用禁止、隣の人との会話も厳禁です。「試験大変でしたよね~」なんて、おちゃらけた話は一切してはいけません。地獄です…

 全員の試験が終わったところで、やっと会場を後にできる時間となりました。会場の建物を出ると、やっと呼吸ができるようになった気分になりました。出たのは大きな溜息1つでしたが…

 係員の方々は、粛々と業務をこなされていただけなのでしょうが、私にとっては、ただただ、「ありえない一日になった」というお話でした。と言うより、その後2~3日、「あの時、なんで、あの説明をしなかったんだろう~。なんで、あの話をしなかったのだろう~。あの話をしていれば、点数が稼げたのでは?」など、昼夜問わず馬鹿みたいな反省を繰り返す、白昼夢と悪夢で訳のわからない日々になりました。まあ、4日後には、「後悔してもしょうがない。不合格でも来年は英語の一次試験は免除。ラッキーじゃん⁉」などと、開き直ってはいましたが…(能天気?)

 そんな私に「2次試験の合格通知」が届いた時は、腰が抜けるほどびっくりしました

 1次試験も2次試験も、こんな調子であった自分。喜びよりも、「よく合格できたな~」というのが本音です。皆さまの参考にはならない話だったかもしれませんが、自信がないと思われている方は、こんな私でも合格できたのですから、「あきらめなければ何とかなる!」という気持ちで、試験に取り組んでいただければと思います。



*実際の試験通訳パート Translation part;

日本語文:富山平野では、古くから米作の裏作として、チューリップの栽培が盛んでした。
チューリップの球根は、国内だけでなく国外にも輸出されています。
砺波チューリップフェアの会場では、700品種、300万本のチューリップが咲き誇り、多くの人が訪れます。

→概要は、このような感じでしたが、もう少し文言が多かった気がします。あらかじめネットなどで確認していたものより、訳すべき内容が多く、「まずい」と思いました。また、いきなり、普段使わない「裏作」という言葉が出たので、かなり焦りました。フェア(祭り)の名前について、自分が書いたメモの文字があまりにも汚く、何度も言いよどんでしまいました。結局、「700品種300万本」は、しっかりメモを取れていたのに、時間切れで最後の部分を訳しきれませんでした。ものすごいショックでした。メモの取り方が下手過ぎました。固有名詞はしっかりメモる練習をしておくべきだったと、後悔しました。



*プレゼンテーション Presentation part:

 お題は、「高野山、国立公園、天皇制」からの選択でした。あらかじめ入手していた、前年度までに試験に出された「お題」例とは、全く違ったものだったので、ここでもかなり焦りました。

 選択時間は、30秒、あっという間の短さに感じました。「国立公園」は全くの予想外、地理も前の年に合格していたので、この年は勉強していず、うまくできる自信がありませんでした。「高野山」は、当時、実際行ったことがなく、質疑応答で突っ込んだ質問に答える自信もなく断念。結局、残った「天皇制」を選択しました。

 実際は、以下のようなことを話しました。

①天皇制は、1500年以上前からある。
②天皇は、戦前は神と考えられていたが、戦後は、象徴として、考えられている。
しかし、今でも多くの人々に愛されていて、天皇誕生日と新年、1月2日は、多くの人々ば天皇に敬意を示すため、皇居に行く。
③現在、天皇は男子が継承することになっているが、男性皇族が少なく、女性天皇を認めるかどうか、むずかしい問題である。政府も議論をしている。

 継承で、一瞬言葉につまり、heredityが思い浮かんだのですが、自信がなく、take over という単語を使って説明しました。また、思ったよりも時間が余ってしまったようで、もっと、天皇の役割について、「日本の伝統文化を継承している」という観点から見るなど、話を膨らませておけば良かったと、後悔しました。
 試験前、五街道や浮世絵、PASMOの使い方など、色々まとめている中、次は「天皇制」と思っていた直前に試験日が来て、まさかのお題の中に「天皇制」が…"OH, MY GOD!"と叫びそうになりました。「あともう少し試験勉強を早めていれば....」と、思ったのは言うまでもありません。

heredity=ヘディティ=遺伝、称号の相続、継承
hereditary=ヘデタリィ=(形)世襲の、相続権のある
throne=すウンヌ=王位
the heir to the throne=王位継承者 heir=ア=相続人、継承者


*実際の試験・質疑応答 QA:

 やはり、皇居関連のことを聞かれました。以下、質問内容と、私の答えを、心の動きとともに(?)再現します。

Q:皇居へはどうやって行くか?
A:どこから説明すべきかわからなかったので、東京駅とか竹橋駅からだと近いと答えました。

Q:東京で、城を見るには、どこへ行けばよいか。
A:東京?八王子城はあるけど、あれは天守閣ないし…。初めの挨拶で、自分は千葉県から来たと話したので、千葉にはいくつかあるけれど…と答えました。でも、天守はすべて再建だと言いました。そこで、松本城は国宝になっている素晴らしい城だし、車で3時間ほどで行けると付け加えました。相手の希望に添えるよう、必死でしたが、その必死さが試験官に伝わったような気はしました。

Q:刀を持って、着物を着たい。東京で。どこが良い?
A:東京?京都ならいざ知らず、その時は全く思いつきませんでした。そこで、浅草はどうでしょう。浅草寺には、多くの伝統的な物を売る店があるから、刀や着物も買えるし…と答えました。実は、「忍者」や「侍」のお題が出たら、香港の友人が喜んでいた「日光江戸村」に話を持って行こうと練習していたのですが、この時は、頭が真っ白になり、全く思い浮かびませんでした。江戸村なら、コスプレもできるし、浅草からなら2時間で行けるし、日帰りも可能だし…。何度も練習していたのに、なんで出てこなかったんだろう…と、後からひどく落ち込みました。

Q:皇居に行くならば、いつがおすすめ?
A:断然春がいいと言いました。皇居は石垣で囲まれその周りにお堀があり、桜の花びらが、お堀の水を埋め尽くす。あの風景は本当にうっとりします。そんな話をしました。

Q:最後の質問。金閣寺は、近い?
A:「残念ながら遠いです。」答えました。もっと、気の利いたことが言えなかったかと、思いましたが、これで、質疑応答が終わってしまいました。最後に、「説明が下手で申し訳ありませんでした」と言って、部屋を後にしました。


*最後に…

 あまりにも、思ったようにできなくて、試験後2~3日は、昼夜問わず、悪夢を見ているような、最悪の時を過ごしました。準備期間があまりにも短かすぎました。もっと早く、せめて1次試験が終わってから、すぐに準備を始めていれば…と、何度も後悔しました。

 結局、通訳案内士の試験に合格することができましたが、まだまだ勉強が必要だと痛感しています。唯一、自分が良かった点は、質疑応答の際、できる限り笑顔を交え、一生懸命に答えたためか、外国人の試験官の方が、私の話を何度もうなずきながら聞いてくださったので、コミュニケーションが取れている実感が湧いたことでした。

 これから、試験を受ける方に言いたいことは、「とにかく、試験のシミュレーションをしておいてください。そして、準備に取り掛かるのが遅くなっても、決してあきらめないでください。試験中に、思い通りに行かなくても、決してあきらめないでください。とにかく最後まで、粘ってください。」ということです。相手(試験官)をお客様だと思い、一生懸命にコミュニケーションを取る気持ちを忘れなければ、きっと良い結果につながると思います。

 Good Luck!  











Subject: English:

実用英語技能検定1級合格者、TOEIC840点以上を得た人は、申請により筆記が免除されます。


The result of a first-stage examination is valid for two years.
(It is valid until the next year when you take the test first.)

valid=りッドゥ=《形》(切符、方法などが)〔~に〕効力がある、有効期限の切れていない

一次試験の結果は、2年間有効です。
(あなたが最初にテストを受ける年の次の年まで有効です。)



         
   guide interpreter 通訳案内士
     a first-stage examination 一次試験
  a second-stage examination 二次試験
  Japanese geography   日本地理  
  Japanese history   日本歴史  
  general affairs

general knowledge
 ? 一般常識 

一般知識
 
  foreign language   外国語