仮定法/「まとめ」と「注意点」
①直説法の仮定・例文(中学で学習した普通の仮定)
②仮定法過去・例文 (今の現実と違う仮定)
主節に助動詞shouldが入る場合
③仮定法過去完了・例文 (過去の事実と違う仮定)
④その他
④-1時制の不一致
If I were you, I would have done. ←この文はあり?
④-2仮定法のif節の倒置
④-3未来のことを表す仮定法
…条件節にwere toかshouldを使う場合
may/should+have+過去分詞(助動詞のページへ)
YouTube/あいうえおフォニックスより/仮定法wouldとwillの違い
↑日常会話でよく使われる仮定法のwouldのわかりやすい例文
仮定法/「まとめ」と「注意点」
①直説法の仮定 (中学で学習した普通の仮定)
文型: If+S+現在形~, S+will+動詞の原形…
→意味: 「もし~ならば、…するつもりです。」
②仮定法過去 (今の現実と違う仮定)
文型: If+S+過去形~, S+would+動詞の原形…
→意味: 「もし今~ならば、今…だろうに。」
③仮定法過去完了 (過去の事実と違う仮定)
文型: If+S+had+過去分詞~, S+would+have+過去分詞…
→意味: 「もしあの時~だったなら、あの時…だったろうに。」
《注意点》
説明内の助動詞は、will→can, may, should/ would→could, might, shouldのように、変更可能です。
英文を作る時は「助動詞の後は動詞の原形!」という大原則もお忘れなく!
仮定法過去を訳す時、必ず「今」を入れて訳しましょう。
仮定法過去完了を訳す時は、必ず「あの時」を入れて訳しましょう。
こうするだけで、多くの生徒さんが「仮定法の苦手」を克服できました。日本語の時制の表現があいまいなので、あえて時制を明確にする日本語「今、あの時」を訳の中に入れておくと、初めは面倒かもしれませんが、最終的に間違えが少なくなります。
「仮定法なんて、会話で使わない」と思っている人がたまにいますが、英語ではよく使う表現です。仮定法を使えなくても英会話はできますが、使えるようになると、表現の幅が広がり、英会話も楽しくなりますよ。
基本例文 | 訳 (基本直訳) | |
① 普通の仮定 ≪直説法≫ | ||
If it is sunny tomorrow, I will go shopping with my friends. | もし明日晴れたら、私は、私の友達と買い物に行くつもりです。 | |
② 仮定法過去 | ||
If I had a lot of money, I would travel around the world. | もし私が今たくさんのお金を持っていたら、私は、今世界中を旅行するのになあ。 | |
≒I don't have a lot of money, so I won't travel around the world. (won't を don't に代えても可) |
≒《直接法》私はたくさんのお金を持っていません。だから、私は、世界中を旅行しないでしょう。 | |
If I were you, I would attend the party. | もし私が今あなただったら、私は(今)そのパーティーに出席するのになあ。 be動詞はwasの代わりにwereを使いますが、口語ではwasも使われています。 |
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≒As I am not you, I won't attend the party. | ≒《直接法》私はあなたではないので、私はそのパーティーには出席しないでしょう。 | |
If I were a bird, I could fly to him. =I could fly to him if I were a bird. |
もし私が今鳥であったなら、私は今彼の所に飛んでいけるのになあ。 《口語ではwereでなくwasもあり》 |
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≒ I can't fly to him because I am not a bird. ≒I am not a bird, so I can't fly to him. |
≒《直接法》私は鳥ではないので、彼の所に飛んでいけません。 ≒《直接法》私は鳥ではありません。だから、彼の所に飛んでいけません。 becauseは文中で用いるのが一般的。 so=(そう)だから~ 詳しくは、接続詞について |
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If he had time, he might come to the party.I | もし彼に今時間があれば、彼は(今)パーティーに来るかもしれないのだが。 ≪仮定法過去≫ …話し手は、彼が来る可能性は低いと思っている。 |
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≒If he has time, he may come to the party. | ≒《直接法》 もし彼に時間があれば、彼はパーティーに来るかもしれない。 ≪直説法≫ …上の文より、話し手は、彼が来る可能性があると思っている。 |
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主節に助動詞shouldが入る場合…主語が1人称の時にだけ使えます。 | ||
If I had one million yen, I should take a long holiday. =If I had one million yen, I'd take a long holiday. |
もし私が今100万円持っていたら、私は(今)長期休暇を取るであろうになあ。 *shouldは主語が1人称の時に使いますが「~であろうに」とwouldどほぼ同じ意味。主に《英》で使用? I'dにすると、I would/I shouldの区別はなく使えます。 この文の仮定法過去完了はこちら |
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③ 仮定法過去完了 | ||
If it had been fine yesterday, we would have gone fishing. | 昨日(←あの時)晴れていたら、私達はあの時釣りに行ったのになあ。 | |
≒It wasn't fine yesterday, so we didn't go fishing. | ≒《直接法》 昨日は晴れませんでした。(そう)だから私たちは釣りに行きませんでした。 | |
If I had caught the train , I would have been in time for school. | もし私があの時その電車に乗っていたら、私はあの時学校に間に合っていただろう。 *be in time for = ~に間に合う caughtをtakenでも可。caughtを使った方が「なんとか乗る」感が強まる。 |
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≒As I didn't catch the train, I wasn't in time for school. | ≒《直接法》 私はその電車に乗れなかったので、私は、学校に間に合いませんでした。 | |
If I had had enough money with me, I could have bought anything. | もしあの時私が十分お金を所持していたら(←私と一緒に持っていたら)、私はあの時なんでも買うことができたのになあ。 | |
≒As I had little money with me, I could not buy anything. | ≒《直接法》 私は、ほとんど、お金を所持していなかったので、(←私と一緒にお金を持っていなかったので)、私は何も買うことができませんでした。 分詞構文を使った文への書き換え |
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主節に助動詞shouldが入る場合…主語が1人称の時にだけ使えます。 | ||
If I had had one million yen, I should have taken a long holiday. =If I had had one million yen, I'd have taken a long holiday. |
もし私があの時100万円持っていたら、私は(あの時)長期休暇を取っていたであろうになあ。 *shouldは主語が1人称の時に使いますが「~であろうに」とwouldどほぼ同じ意味。主に《英》で使用? I'dにすると、I would/I shouldの区別はなく使えます。 この文の仮定法過去はこちら |
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④その他 | ||
④-1 《時制の不一致》以下、if節(従属節)と主節の時制に注意! …従属節が仮定法過去完了、主節は…? |
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If you had taken the medicine then, you might be fine now. | もしあなたがあの時薬を飲んでいたら、あなたは今、元気になっていたかもしれない。 ≪従属節は仮定法過去完了、 主節は仮定法過去の形≫ …今も元気でない |
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If you had taken the medicine, you might have been fine. |
もしあなたがあの時薬を飲んでいたら、あなたはあの時、元気になっていたかもしれない。 ≪従属節も主節も仮定法過去完了の形≫ …全て過去の出来事 |
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If he had studied harder, he would get a good job. | もし彼があの時もっと一生懸命勉強していたら、彼は今、良い仕事を手に入れていたのに。 ≪従属節は仮定法過去完了、 主節は仮定法過去の形≫ …仕事がないのは今の事 |
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If he had studied harder, he would have got a good job. | もし彼があの時もっと一生懸命勉強していたら、彼はあの時、良い仕事を手に入れていたのに。 ≪従属節も主節も仮定法過去完了の形≫ …すべて過去の出来事 |
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If I were you, I would have done. ←この文はあり? 《普通は、If I had been you~の文では?》 ≪従属節は仮定法過去、主節は仮定法過去完了の形≫ 実は文法的には、従属節に仮定法過去完了If I had been youの形を使うのが正しいはずです。しかし、実際、過去に起こった出来事に対し、今もつながっているような仮定の場合、ネイティブは仮定法過去のIf I were youの形を使うのが普通とのことです。 参考になるNaturalEnglishのサイトはこちら(説明は英語) |
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If I were you, I would have done the same thing in such a difficult situation. | もし私があなたならば、私はそんなに困難な状況においては同じことをしていただろうな。 | |
If I were you, I would have made up with him. | もし私があなたなら、私は(あの時)彼と仲直りしただろうな。 | |
If I were rich, I would have donated money. | もし私がお金持ちであったら、私は(あの時)お金を寄付していたのにな~。 (今もお金持ちではない状況) |
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④-2 仮定法の if 節の倒置 →文章体の仮定法では、よく出てくるので、覚えておくと便利。 大学受験の並び替え問題にも、しばしば出ます。 |
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If I were in your place, I wouldn't trust him. → Were I in your place, I wouldn't trust him. |
もし私が今あなたの立場だったら、私は、今彼を信用していないでしょう。 ≪仮定法過去≫ *be in one's place = 人の立場にいる |
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If we had known you were in the hospital, we would have visited you. →Had we known you were in the hospital, we would have visited you. |
もし私があの時あなたが入院していることを知っていたら、私はあの時あなたを訪問していたのに(→お見舞いしていたのに)。 ≪仮定法過去完了≫ *be in (the) hospital = 入院している …アメリカではtheをつけるのが普通 |
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④-3 未来のことを表す仮定法 …条件節にwere to かshouldを使う *were to=「万が一~ならば」「仮に~すれば」…実現の可能性がどのくらいかは文脈から判断。 *should=「万が一~ならば」…実現の可能性が低い場合使う。ただし、100%実現の可能性がない場合は使えない。 |
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If you were to win the lottery, what would you do? | もし、あなたが宝くじにあたるようなことがあったら、あなたはどうしますか。 *lottery=ろタリィ=宝くじ |
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If you were to move your chair a bit to the right, we could all sit down. =《文》Were you to move your chair a bit to the right, we could all sit down. |
もし、あなたが、あなたの椅子をほんの少し右に動かして下されば、私達は全員座れるのですが… 《遠慮がちな言い方》 |
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If the sun were to rise in the west, I would never forsake you. =《文》Were the sun to rise in the west, I would never forsake you. |
太陽が西から登るようなことがあっても、私は絶対にあなたを見捨てないでしょう。 《この場合、were toの代わりにshouldは不可》 *if=even if の意味で使うこともある *forsake=ふォーセイクゥ=《古・文》(人)との縁を断つ、~を見捨てる≒desert |
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If our daughter should need our help, she would call us. =Should our daughter need our help, she would call us. |
もし万が一、私達の娘が私達の助けを必要とするようなことがあれば、彼女は私達に電話をくれるでしょう。 《倒置もよく使われる》 if節に仮定の意味合いが強ければ、帰結節の動詞は仮定法過去が用いられます。 |
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If I should ever make a fortune, I will give you half of it. | もし私が一財産を作ったならば、私はそれの半分をあなたにあげるつもりです。 if節が単なる条件としての文脈では、帰結節の動詞は直接法を用いるのが普通とのことです。 |
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Should India agree to adopt Shinkansen Train technology, Japan would offer softer loan conditions, the source said. | もしインドが新幹線の技術を採用するようなことがあれば、日本はより柔軟な借款条件を提供できるだろうと、当局は伝えた。 《2015.12 Japan Timesより引用》 |
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What would happen if he were to tell others about our secret? ≒What would happen if he should tell others about our secret? |
もし万が一、彼が私達の秘密について他人に言うようなことがあったら、何が起こるだろう(→どうなってしまうんだろう)。 《口語ではI, he, she, itが主語の場合、were toを、was toにすることもある》 |
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Should you need any further information, please do not hesitate to contat us. | ご質問がありましたら、お気軽にご連絡ください。《きまり文句的で、覚えておくと良いかも?》 ←《直訳》もしあなたが万が一、より詳しい情報が必要ならば、どうか私達に連絡をするのをためらわないでください。 |
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