3)-6  不 定 詞    戻る

6) 原形不定詞(使役動詞と知覚動詞など)
☆ページ内リンク☆
使役動詞 make/have/let
  *get O to doとの使い分けも
  *have/getの使い方・ SVO+done(過去分詞) 
    I had my wallet stolen. …正しい?
  *have/getの使い方・ SVO+doing(現在分詞)


知覚動詞 see/hear/feel など
 
*see+O+do(原形不定詞)とsee+O+doingの違いは?
  *hear+O+doinghear+O+done違いは?

《米》helpの後 

その他、原形不定詞を使う特別な場合
  *「長いS+be動詞+C」の、SVC文のC
  *前置詞「~以外に」の意味のbutの後


☆関連ページへのリンク☆
SVO+原形不定詞は第5文型/SVOC文

YouTube/ジェンの授業より
  Causative Verbs/ 使役動詞の文法授業

ここまで、色々な不定詞(to+動詞の原形)を学んできましたが、ここで紹介する原形不定詞は、toをつけず動詞の原形だけで表す不定詞です。原形不定詞をとる動詞は、使役動詞(「~させる」のような意味の動詞)知覚動詞(「見る・聞く・感じる」などの知覚を表す動詞)、そしてアメリカ英語のhelpです。

 説明だけではわかりにくいので、やはり、基本例文で覚えていきましょう。大事なのは、スラスラ英文を言えることです。何度も音読して、練習してください。できるようになったら、和訳だけを見て、英文を言えるようにしましょう。英語が苦手な人は、まずの文だけ、覚えましょう。

 なお、SVO+原形不定詞は、第5文型/SVOC文になります。

  不定詞を用いた文
・基本例文
 和訳
(直訳を基本とします) 
 
 解説など 
    使役動詞 make  let  have

原形不定詞をとる使役動詞はこの3つしかありません。 getも使役の意味で使われることがありますが、こちらはto不定詞をとります。
  make+O+動詞の原形 (無理やり)Oに~させる
  let+O+動詞の原形 Oが~することを許す/許可する   
  have+O+動詞の原形 Oに~してもらう (O=人)
  get+O+to+動詞の原形 Oに~してもらう
(getは使役動詞ではありませんが、ほぼ同じ意味で使えるので、一緒に覚えましょう)
  make  
Their teacher made them go outside of the room. 彼らの先生は彼らを、部屋の外側に行かせました。
(→部屋の外に出された)
 
They made me drink (Sake). 彼らは私に(無理やりお酒を)飲ませました。 drink=《自》お酒を飲む(→単独ではお酒を飲む意味です)
  ↓ ↓  ↓ ↓ 
受動態  They were made to go outside of the room by their teacher. 彼らは、彼らの先生によって、部屋の外側に行かされました。
(→部屋の外に出された)
受け身:

makeが受け身になった時、原形不定詞のtoは復活させる!

letやhaveは、普通、受け身にしない。
受動態  I was made to drink (Sake) by them. 私は、彼らに(無理やりお酒を)飲まされました。
  let
  My father doesn't let me go out at night. 私の父は、夜間に私を外に出してくれません。
→外出させてくれません。
 
  Let me introduce myself. 私に、私自身を紹介させてください。
→自己紹介させてください。 
よく使うフレーズです。 
  Please let me know what to do next. 次に何をするべきか私に教えてください。  
  have/get
  I will have him translate the letter.  私は彼にその手紙を翻訳してもらうつもりです。 have+O+do
get+O+to do 
=Oに~してもらう
I will get him to translate the letter.
  He had his wife mend his shirt. 彼は彼の奥さんに、彼のシャツを繕ってもらいました。
He got his wife to mend his shirt. 
   I had him carry the chairs out. 私は彼に、椅子を(外に)運び出してもらいました。 helpを受け身にして、同じような意味にすることもできますが、この場合の不定詞は、必ずto doの形にする必要があります。

helpの後は?
I had him to carry the chairs out. 
I was helped by him to carry the chairs out.  私は椅子を(外に)運び出すのに、彼によって手伝われました。(→彼に手伝ってもらった)
  have/getの使い方 SVO+done(過去分詞)
       (O=物)
have+O+done
get+O+done
=Oを~してもらう

*have+O+be+done
…これのbe動詞の省略と考えるとわかりやすい?


haircut=アカットゥ
=(髪の)カット、散髪


過去分詞にするのは、O(目的語)とその後の動詞との関係が、受動態にするべき時です。
《doneの部分は他動詞が入る》

参考:excitingとexcited、使い分けできますか?
  Can I have this gift wrapped? このプレゼントを包装してもらえますか。

←私は、このプレゼントを包装された状態にしてもらえますか?
Can I get this gift wrapped? 
   I'll have my hair cut tomorrow. 私は明日、髪を切ってもらうつもりです。

←私は明日、私の髪を切られた状態にしてもらうつもりです。
=I'll have a haircut tomorrow.
=I'll get a haircut tomorrow.
=《略式》I'll cut my hair tomorrow.
  Let's have a picture taken together. 一緒に写真を撮りましょう。

←一緒に写真を撮られた状態にしましょう。
May I take a picture with you? (私は)あなたと一緒に写真を撮ってもいいですか?
  She had her bag stolen yesterday. 彼女は昨日、彼女のバッグを盗まれました。

←彼女は昨日、彼女のバッグを盗まれた状態にしました。

注意を読んでおいてください。

  have+O+done
get+O+done
=《被害》Oを~される

←この使い方は実際はあまりしないようです。詳しくは以下へ
I had my wallet stolen. …正しい?
She got her bag stolen yesterday.
     have/getの使い方・ SVO+doing have+O+doing
get+O+doing
=Oを~させる

現在分詞にするのは、O(目的語)が、(能動態文で)その後の動詞の主語の関係になる時です。
参考:excitingとexcited、使い分けできますか?
  He had his mother crying. 彼は彼のお母さんを泣かせました。 
He got his mother crying.
  The ice had the car sliding. 氷は車をスリップさせました。
《意訳》氷で車がスリップしました。 
The ice got the car sliding.
   知覚動詞 see/hear/feel /look at/listen to
watch(見守る)/notice(気づく)/oberve(気付く)
see+O+do原形不定詞とsee+O+doing現在分詞の違いは?
I saw ducks cross the street. 私はカモ(達)が通りを横切るのを見ました。 原形不定詞cross…横切る一部始終を見た。

現在分詞crossing…横切っている
瞬間を見た。(途中で引き返した可能性もあり)
I saw ducks crossing the street. 私はカモ(達)が通りを横切っているのを見ました。
  ↓ ↓  ↓ ↓   
受け身 Ducks were seen to cross the street (by me). カモ(達)は通りを横切るのを(私によって)見られました。 知覚動詞が受け身になった時、原形不定詞のtoは復活させる!

受け身の文が作れる知覚動詞:
see, hear, observe
受け身 Ducks were seen crossing the street (by me). カモ(達)は通りを横切っているのを(私によって)見られました。
  hear
  I heard someone shout in the distace.   私は、遠くで、誰かが叫ぶのを聞きました。  
  I have never heard him speak English.  私は、彼が英語を話すのを一度も聞いたことがありません。   
  To hear you speak English, people might take you for a native speaker. もし、あなたが話すのを聞けば、人々はあなたを、ネイティブスピーカーと思うかもしれません。  仮定法
  hear+O+doing=Oが~しているのが聞える doingの部分は自動詞と他動詞、どちらも入りうる。

doneの部分は他動詞が入る。


自動詞と他動詞の違いはこちら



hear your name being calledから、この形になったと考えるとわかりやすい?
  I heard some dogs barking all night. 私は、何匹かの犬が一晩中吠えているのが聞えました。
《bark=自動詞》
  I heard someone calling my name. 私は、誰かが私の名前を呼んでいるのを聞えました。
《call=他動詞》
  hear+O+done=Oが~されるのが聞える
  Didn't you hear your name called?

-No, I didn't.  
あなたは、あなたの名前が呼ばれるのを聞こえなかったのですか。
→名前が呼ばれたの聞こえなかった?

-うん、聞こえなかった。《call=他動詞》
  observe
  I observed him enter the house.  私は彼が家に入るのに気付きました。  observe
=オぶ゙ーぶ 
=~するのに(観察して)気づく
受け身 He was observed to enter the house (by me).  彼は家に入るのを(私に)気付かれました。 
  feel
  I felt my house shake last night. 私は昨夜、私の家が揺れるのを感じました。  
  I felt my interest rise.  私は(私の)興味がわくのを感じました。  svo+do
svo+doing
I felt my interest rising. 私は(私の)興味がわいてくるのを感じました。
  She felt herserlf torn apart.  彼女は、彼女自身が引き裂かれるような気がしました sv+oneself+done
=自分自身が~されるのを感じる
tear-tore-torn
=~を引き裂く
 helpの後 アメリカ英語では、原形不定詞をとります。イギリス英語では、以前は普通の不定詞だったようですが、今は原形不定詞をとることも多くなっているという話も聞きます。
Could you help me move these desks? (あなたは)私がこれらの机を動かすのを手伝ってくれますか。 help O + (to) do
Oが~するのを手伝う。

各欄の、
上が、原形不定詞をとるアメリカ英語。
下が、普通の不定詞をとる場合。


helpを受け身にする場合、後に続く不定詞は、to doの形になります。

helpの受け身の例文はこちら
Could you help me to move these desks?
He helped change tires. 彼はタイやを交換するのを手伝いました。
He helped to change tires.
The boy helped the old woman cross the street. その少年が、年配の女性が通りを渡るのを助けました。
(→助けてくれました。)
The boy helped the old woman to cross the street.
  その他、原形不定詞を使う特別な場合
    「長いS+be動詞+C」の、SVC文のC
  All you have to do is do your best. 君は最善を尽くしさえすればよい。
←あなたがやらなければいけないすべての事はベストを尽くすことです。
be動詞の前にdo/didが来る場合、原形不定詞を使うことが多い?

*②のthatは関係代名詞で、省略して①のようにするのが普通。 
=②All that you have to do is to do your best.
=③You only have to do your best.
  All you have to do is (to) push the button. ボタンをおしさえすればよい(後は自動だから)。
←あなたがやらなければいけないすべての事は、ボタンを押すことです。 
  All you have done is (to) spoil the whole thing. あなたがしたことはすべてを台無しにしただけだ。
←あなたがしてきたすべての事は、すべての事を台無しにすることです。
もし、All you are doing is~ならば、be動詞の前にdo/didが来ないので、原形不定詞は使えず、spoilingのみ可能になる。(ジーニアス英和大辞典より)
All you have done is spoiling the whole thing.
  What is more important than anything else is (to) think for yourself. 何よりも重要なことは、自分自身(独力)で考えることです。 「長いS+be動詞+C」の、SVC文のC
   前置詞「~以外に」の意味のbutの後
  She did nothing but complain. 彼女は不平ばかり言っていた。
←彼女は不平を言う以外、何もしませんでした。 
①と②は原形不定詞のみ可能
…do/didとの兼ね合い?
①ならdid complain (didは強調)、②ならdo admit (doは強調)。それぞれ、強調のdidやdoを省略したとも考えられる…?
  I will do anything but admit it. 私はそれを認める以外、何でもするつもりです。
→それを認めること以外なら何でもするよ。 
  We have no choice but (to) go. 私達は、行く以外の選択肢はありません。→行くしかない。


"I had my wallet stolen. " …正しい文ですか?

 これはhave+O+doneを説明する、文法書に載っている典型的な例文で、入試でも度々見かけました。 しかし、haveを使役動詞として使う時、「~してもらう」というのが基本的な意味なので、ネイティブでも「変では?」と言っている人がいることを知り、
カナダ人のユーチューバーで、英語講師でもあるジェンに聞いてみました。すると、「ネイティブには、違和感がある」という返事をいただきました(詳しいやり取り)。彼女の大学で専攻は「英語」(つまりカナダの国語の先生を目指す学科)だったということなので、かなり信頼できる意見と思いました。
 辞書には、「被害について、この形を使う」と書いてありましたが、時代に合った英語を学ぶことが望ましい気もしました。まだ、受験などでも採用されている形なので、一応こちらに載せておきますが、物が盗まれた時には、以下の書き方にする方が無難のようです。

 "My wallet was stolen on the train,"
   
私の財布は電車で盗まれました。
 "Someone stole my wallet on the train."

     誰かが電車で、私の財布を盗みました。

 ただ、50代後半のカナダ人ネイティブに同じ質問をすると、違う意見が返ってきました。
"I had my wallet stolen."でも"My wallet was stolen."でも、意味は全く同じだし、どちらを使っても全く問題ないと言っていました。彼は、日本での滞在期間が長いのですが、カナダだけでなく香港やアメリカでも、長く生活していました。まあ、言語とは、場所や世代によって、変わってくるものなのでしょう。


 一応、彼女とのコメントのやり取りを以下に載せますので、ご興味のある方は読んでみてください。

《私からジェンへの質問》
In your video, I learned as follows; I had my computer repaired last week. Causative Verb "have" is used to give somebody the responsibility of doing something.
Is the following sentence odd to you?
I had my wallet stolen on the train...to express some damage?
It is a typical sentence written in an English grammar textbook in Japan. But some teachers say, "It is strange for native English speakers. You should say, "Somebody stole my wallet on the train." or "My wallet was stolen in the train." "
I want to know your idea.

《ジェンから私への返信》
Although I can easily understand the meaning of the sentence, "I had my wallet stolen", I have to agree with the other English teachers who said that the sentence sounds a bit strange.
It makes it sound like you arranged for someone to steal your wallet and gave them the responsibility to do so.
The best way to express a thief stealing your wallet on the train would be as you mentioned: "My wallet was stolen on the train," or "Someone stole my wallet on the train."
Thanks for asking.

《私からジェンへの返信》
I really appreciate your kind answer!! To tell the truth, I have relied on school-grammar textbooks because I am not a native English speaker.
I don't know why "I had my wallet stolen" is a quite popular sentence among school textbooks in Japan.
I'd like to share your opinion with other teachers on Facebook.