8)その他、生徒指導で問題と思われること


記述式問題で部分点を与えない(一箇所間違えたら0点?)
*採点基準を公開している埼玉県、公開に関する私の考え


 千葉県教育委員会では、県立高校入試の英語の記述問題について、採点基準を公開していません。県教委に、採点基準について問い合わせても、「採点基準を公開することは禁じられているので、問い合わせには応じられない。」という事でした。「本番の入試では、各高校独自の採点基準で公正に採点している」という事ですが、誰もその基準を知り得ないという事に、利点を全く見出せません。

 記述式問題に部分点を与えない?(1箇所でも間違えたら0点!?)のところで書きましたが、公立高校入試の採点基準が公開されていないために、記述式問題が一箇所でも間違えたら0点にされることがあれば、生徒達の「英作文を書けるようになろう」とする気持ちも削いでしまうのではないかと、本当に危惧しています。話す力」の向上には、「英作文力」の向上が求められるはずです。埼玉県教育委員会の取り組みを是非参考にしていただきたいと思い、ここに紹介させていただきます。(情報は、すべて公開されている公式サイトから得たのもです。)


 以下、埼玉県教育委員会ホームページ→学校教育→高等学校教育→入試選抜情報から閲覧できる、PDFファイルの抜粋になります。




  平成27年度・埼玉県公立高等学校入学者選抜
       学力検査採点の手引き



























私の考え

 塾で多くの中学生が、英作文で困惑する姿を長く見てきた者として、埼玉県教育委員会が、誰でも閲覧できるホームページ上で、このように「採点基準」を公表してくださっていることに、敬意を表したいです。「採点基準」が示されたことで、埼玉県では、多くの生徒が「英作文を作るにあたり、何を気を付けるべきか。」しっかり、理解できると思います。「綴りが分からない単語が1〜2個あっても、≪書いてみよう≫という気持ちが沸く」生徒も出てくると思います。「部分点を与えない」ようなテストをやらせている地域の生徒達が気の毒です。

 ただ、示された「採点基準が最適かどうか」を見極めることは、とても難しい事と思います。また、「日本人に求められる英語のレベル」も、時代とともに変わると思います。例えば、綴りの誤りについて、「スペルチェック機能を有するパソコンを普通に使える現代」、パソコン普及前の時代と比べて同じ扱いで良いのでしょうか。それは、学校の先生方だけではなく、社会で実際英語を使う、多くの人の意見を聞いて考える問題のような気がします。そのような意味でも、「採点基準の公開」という事は、素晴らしいことと思います。

 国際化が進み、IT技術も十分発展した現在、なぜ「採点基準を非公開」とする自治体があるのかを考えた時、思いつくのは、「苦情を受けないための対策?」という事くらいです。もしそうであるならば、あまりにも前時代的ではないでしょうか。

 
千葉県など、採点基準を非公開にしている自治体には、出来るだけ速やかに、「採点基準公開」にして頂きたいと思います。基本的な「採点基準」が示されることで、生徒達の「英作文に取り組むやる気」を高め、「時代に合った英語力というのはどういうものなのか」を、 多くの人が考えるきっかけにも、なるのではないでしょうか。


追記:
 2017年3月2日に、群馬県の高校入試情報を中心に記事を配信している地域メディアみんなの学校新聞」の中の、【公立後期入試】採点基準の現場を歩く  という記事の中で、私の意見を引用いただきました。群馬県でも採点基準の公表をしていないということでした。情報公開の流れが浸透していくことを願うばかりです。






記述式問題の採点基準を公開している東京都
                               (2015年6月17日)

 東京都では、以前は千葉県と同様に、各校で記述式問題の採点基準を定めていましたが、平成26年度実施の入学者選抜より、記述式問題の採点基準を東京都教委が統一基準を定めたという事です。

 これについては、読売新聞の6月9日の記事 「都立高 採点ミス1064件」(2015年春実施の都立高校の入学試験)内に、「記述式問題で詳細な基準を設定」という記述があり、「この基準に英語が含まれているか?」を、読売新聞社の教育部に問い合わせたところ、都教委のページへの詳細なアクセス方法や、担当課を教えて頂き、いろいろなことが分かりました。
  ≪読売新聞社教育部及び、都教委高校教育課入学選抜係の、電話での、丁寧かつ迅速な対応に、大変感謝いたしました。≫


 都教委のホームページhttp://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/ のフロントページ中央に「報道発表資料」というコーナーがあり、その下部「報道発表資料一覧」をクリック→各年度別の発表資料の「平成27年報道発表資料」をクリック→2月24日の「平成27年度都立高等学校入学者選抜 、学力検査問題及び正答表」をクリック→英語、(参考)部分点の基準で、詳細を確認できます。

 東京都教育委員会の高校教育課入学選抜係の方に電話で問い合わせたところ、6月9日の記事内の、「記述式問題で詳細な基準を設定」という中に、「英語の記述式問題も含まれている」ということを確認できました。また、英語の採点ミスは、1064件中151件ということでした。ホームページ内にも、詳細が記載されていることが確認できました。

 なお、都教委に、成果について問い合わせたところ、報道発表資料一覧→各年度別の発表資料の「平成27年報道発表資料」6月11日の「平成27年度に実施する都立高等学校入学者選抜における実施方針について」「資料3:2系統による採点・点検方式の成果と課題」で、詳細を確認できることを教えて頂けました。

公開情報:


○新たな採点・点検方法は、採点等の誤りのうち『単純ミス』の防止には一定の効果。

○部分点のある記述式問題について、教育委員会が平成26年度実施の選抜において初めて詳細な基準を規定。規定した基準どおりに採点しきれなかったことにより、採点の誤りが増加→誤字・脱字等の採点の誤りを防止する上で改善が必要。


以上



*参考までに、東京都の英作文問題と部分点基準を掲載します。

問題: あなたは、日本の良い所について授業で発表することになりました。あなたが外国人に伝えたい日本の良い所を一つ取り上げ、それを取り上げた理由などを含めて、三つの英語の文で書き表しなさい。



   







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